夢遊病者の死


登場人物
彦太郎,父親,M伯爵

主な舞台
東京

作品一言紹介
夢遊病癖のある彦太郎が殺人をしたと勘違いしてしまうというお話。

著者(乱歩)による作品解説(ちくま文庫(桃源社の全集)引用)
やはり大阪の「苦楽」の大正十四年七月号にのせたもの。この号には、探偵小説特集頁を設け、そこに片岡鉄兵ほか二人の文壇作家の探偵小説と一緒にのったものである。発表の時には「夢遊病者彦太郎の死」という長い表題であった。この小説の花氷のトリックは、西洋の作品にも前例がないと思うが、私の怪奇小説のほうは大いに好評を博したのに比べて、こういうトリックだけの純探偵小説は一向に歓迎されなかった。そこに、私が怪奇小説ばかり書くようになった一半の理由があったようである。

※(注)初出時のタイトルは「夢遊病者彦太郎の死」
※※「女性」誌の「苦楽」における宣伝文はこちら


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