昔の乱雑文・置き場 2005

平均ですらも一ヶ月に二度程度しか更新していないのが露呈していました。2004年版


乱雑文第35回(2005/8/16)

例の自殺サイト殺人の容疑者の件。相手にするまでもない低レベルな物で、日本国民で問題にするような非常識な人間もいまいと思い、弁明も不要であると思ったが、一応見解を述べておこう。

そもそも創作物に妙な影響を受けて犯罪が発生するまでを想定しないといけないというのだったら、あらゆる文化が成り立たない。乱歩作品が確かに特殊な犯罪的な嗜好を掘り下げた面は事実である。だが、どうしたというべきだろう。当たり前の読者は、幻想、恐怖、不思議、超常異常、冒険、憧憬、





【註】途中で書くのを止めてしまったらしい・・・・・・・・・・・・・・・・。


乱雑文第34回(2005/7/21)

乱雑文だけコッソリと更新するは、仕事で帰宅が0時過ぎという訳のわからん余裕が無い日であった。

戦線文庫が覆刻するという記事タイトルを見たときは唸ったものだ。
本物なんてどこにあるのかつゆ見たこともない割には魅力的な幻の探偵小説が数多く載った雑誌。
数年前に「混沌の世界」や「甲賀三郎の世界」調査時に頻繁に参照した戦前の大手新聞の広告にもデカデカと探偵小説を主張していたものだ。
これが読める時代になったのか・・・と職場で1人不気味に胸高鳴らせて期待したものだったが、残念ながら覆刻は2冊のみの様子。
それでも、これの偉大な覆刻本は、ぜひ手に取って読んでみなければならぬ逸品だ。覆刻に出会えた探偵作家はどなたになってたのだろうか。

http://www.asahi.com/culture/update/0721/009.html


乱雑文第33回(2005/7/17)

文庫本になって数ヶ月を経ましたが、涙香版の「幽霊塔」をようやく読み終わりました。
近ごろ乗車時間も短い電車内でしか読書をしていないためです。
今度そのうち乱歩版と比べつつの感想でもしたためたいと思います。

更新情報ですが、今回馬鹿馬鹿しいながら、「蜘蛛男雑感コーナー」を更新しました。


乱雑文第32回(2005/6/6)

遅々として進まぬ割には月日は早々と過ぎてゆくのでした。
リンク集に今さらながら、横溝Worldを追加しました。横溝正史の数多の紹介の他、洞窟紹介など面白いです。
それにしても、我ながら何という反応の鈍さ、仮面の下に隠れつつ、ここでお詫び申し上げます(汗)。

WEB拍手を終了しました。これまでたくさんの拍手をありがとうございました。今後とも応援を期待してきます。

今、大東京案内という戦前期の東京を詳細に紹介したちくま学芸文庫を読んでいる。乱歩をより楽しく読むにはやはり戦前期の東京の様相は詳しいほど良いと思われるだけに戦前東京を知る簡単な資料として、お奨めしたいところ。


乱雑文第31回(2005/5/1)

本業で心身共に疲れ果てているため、そして月日の経過スピードに心身が全然追いついていないため、更新が二ヶ月ぶりになってしまった。しかも簡単に済ませている。「読書記録」以外にも書きかけがあるかも知れないが、把握するのが間にあっていない。ご容赦願いたい。加えて申し訳ないが、掲示板の必要な返事なども後日させて頂くことにする。


乱雑文第30回(2005/3/8)

暗黒を堪え忍び、久々の更新である。
で、何を思ったか、なぜか蜘蛛男専用の雑感コーナーを設けてみた。今の所、かなり深い所にあるため、リンク先に辿り着くのは至難の業である。だから今回は特別にショートカットを用意してみた。こちら《『蜘蛛男』ネタバレ注意》からもどうぞ。
他の更新すべきところなどはまた後日。


乱雑文第29回(2005/1/16)

15日の土曜日に古書販売大会があったので、古本屋自体に久々に行ってみたが収穫はほとんど無かった。なによりも値段が高すぎる。どちらかというと、素人を吊るためにやっているのではないか、と疑ってしまうほどだ。けっきょくは既読ながら手元になかった河出の新文芸読本江戸川乱歩と、その他の文庫本だけをお持ち帰りするにとどめた。

別の話だが、最近ネット入手した古書と言えば、大下宇陀児の「蛭川博士」と言うのがある。
大下宇陀児は最近の戦前の探偵小説復刊ブームでこそ影が非常に薄くて気の毒ながら、戦前においては江戸川乱歩、甲賀三郎、大下宇陀児の三人で三羽烏と呼ばれていたほどの流行作家だった。そして、その「蛭川博士」だが、戦前の長篇代表作とされていて、乱歩も珍しい本格長篇として一定の評価をしていたほどだ。
で、私にとっても、三年以上も前から宇陀児の中ではダントツに読みたい作品だったのだが、なかなか収録本入手の機会に恵まれなかった。しかしそれが、ついこの間、比較的安価で入手できるに及んで、喜ばしい限りなのだった。そういうわけで、近いうちに読んでみようかと考えている。
ちなみに今は甲賀三郎訳のクロフツ「英海峡の怪奇」を読んでるところ。古書はゆったりと家で読むしかないので、読む時間が限られてしまうのが玉に瑕と言ったところか。

「子不語の夢」など関連書籍コーナーの充実を計りたかったところだったが、本日はタイムアウト。またの機会とする。乱歩収録書籍も考えれば、後の更新材料としてはずいぶん溜まっているなと思った次第。まだまだ手軽なと言う意味ですらも、更新材料には困ることはなさそうだ。


乱雑文第28回(2005/1/9)

今年こそは更新ペースを上げてみせる、と意気込んでおります。明日仕事なのに、もう2時です(汗)。

先年末に出た講談社文庫版「怪人対名探偵」の芦辺拓氏の言葉の中で、このサイト内の乱歩関連書籍内該当部が紹介されていました。それを見付けたとき、一寸嬉しくなりました[*関連書籍内のあれの拙さを考えると恐縮ものなのは言うまでもないだろう]ので、再読してみました。改めて美事美事、何という痛快さ。初読前の思い出から蘇ります。

 早いもので、あれからもう数年が経ちました。書店に並んだ日と思われたあの日、あの当時におけるN市の阪急側で一番マシな郊外型書店に電話を掛けて確かめてみました。なかったときの落胆を避けたかったのと、いくら自転車で行ける範囲内でもそれなりに遠かったからです。返ってきた応えは、お待ちしております、でした。当然のようにそれからすぐに出かけました。喜色満面というか、傍から見ると、気色悪い笑みを浮かべながらだったと自覚しております。その姿をTさんに目撃されており証言されてしまったのは痛恨の極み、と大袈裟にもほどがある表現をしたくなるほどでした。

 数年前のノベルスを初めて入手するまでの印象記が長すぎました。
 とにかくまだお読みではない方には、冒頭で記したように先月出た講談社文庫版が是非お奨めです、と声高々に言いましょう。乱歩愛が詰まったこの「怪人対名探偵」こそ、現在のミステリを読む上で物足りなかった何かを補充してくれる作品になると言えるからです。乱歩ファンの誰もが焦がれた構図がここにあります。タイトルに誇張はありません。やはり惚れ惚れするまでの対決です。物語の巧みさという点では驚きの連続になるでしょうし、それが何よりも本格なのです。そしてあまりもの恐怖感と戦慄に対しては多少親しみにくい点もあるかも知れません。しかしそれを含めてこそがこの素晴らしき「怪人対名探偵」なのは否めないでしょう。
 未読の人に向けて、もう一度言います。未読な人は勿体ないです。読んでみましょう。


乱雑文第27回(2005/1/6)

また新年を迎えることが出来ました。今年もよろしくお願いする次第です。

前回も触れた「子不語の夢」ですが、これまた空前絶後とも言える素晴らしい内容でした。あの乱歩が不木が、輝いていたあの時代に、これでもかとばかりにまで肉薄出来てしまいます。その書簡には時を超えたリアルな感動すら覚えてしまわざるをえません。最初の熱意溢れる者どおしの交流から、一寸こちらまでヤキモキしてしまうような後半まで。このサイトに迷い込んできた人にならば、きっと最適の一冊です。

で、前回購入したわけでしたが、その後、何と私めにまで「乱歩蔵開き委員会」さまより飛脚便が届いたのです。どなたに御礼を申し上げて良いやらわかりませぬゆえ、ここで感謝の意を記しておきます。ありがとうございました。ということで購入した方の一冊は実家九州の書棚に収まった次第でありました。

続くつもりでしたが、寝入ってしまいましたのでここで終わります。本日の更新は「読書記録」も含めるつもりでしたが、残念無念なことにそれすらも果たせず仕舞いになってしまいました。


2004年版


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