観ました。今回の「怪人二十面相」篇は、二十面相との対決に「悪魔の紋章」の宗像隆一郎を加えてライバル探偵に仕立てた趣向。さらに宗像の妻、京子を配置。
　そして、小林芳雄に加えて「花崎マユミ」を登場させました。花崎マユミをテレビドラマ化したのはひょっとすると初めてかもしれません。舞台演劇では、よく出てくるんですが。
　演出は、映像、小道具、大道具、背景etc.昭和臭（笑）満載。
二十面相のシルクハットに燕尾服、覆面というギミックも再現（笑）し、予告状、トリック、舞台もかなりハッタリかましてきてその点はいいのですが、二十面相の「動機」に、昭和は昭和でも「公害」工場廃液を巡る、悪徳政治家、企業家への鉄槌、復讐という義賊色とリアリティを導入した脚色はそこだけ重くて、ちょっとバランスが悪かったかな。
※はみだしネタとしては、知る人ぞ知る「にしたんクリニック」が前作に続きスポンサーでＣＭを流してきて、これも知る人ぞ知るハッタリかましたミステリー仕立てで主演が同じ船越英一郎ですので、思わず苦笑ものでした。
　クライマックスには、いかにもわざとらしい、作り物めいた大振り子ギロチンのセットを組み、令嬢危機一髪シーンも。二十面相の変装は（これも前作に続き）合成で「ベリッ」が違和感ありませんでした（笑）。
　出演陣としては、「花崎マユミ」を演じた今回初登場の「石川古都」さんが、まだ二十二歳、ミュージカルの子役出身、目覚ましい。私は初見ですが、華があり、輝いていたと思います。彼女には花崎マユミもいいのですが、紅顔の美少年、カワイイゝ「小林少年」を演じさせたら面白いと思いましたね。
　私としては今後も二十面相との対決でシリーズ化継続を期待したいです。その時は、もっと徹底的にケレン味たっぷりにハッタリかました演出に徹してほしい。でもって、小林くん役に石川古都さんをシフトしてほしいですね。