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No[2269][Subject] 「3つのグノシエンヌ」観ました。 2025/10/09[木]-21:32:25 この書き込みにレスを
  小笠原功雄・正恵  
先にお知らせした、「3つのグノシエンヌ」観てきました。プログラムも制作されていない、インディーズムービーといっていいでしょう。
人生に退屈した舞台役者が、シナリオを書くにあたり、そのアイディアとして架空の人物を後輩役者に演じさせて、小学校教諭をしている妻を誘惑させるシナリオを書きながら、それを眺める。
しかし妻が本気になり始めるところから嫉妬に駆られ始めますが、シナリオもその展開に沿って執筆を続け、彼の様子もおかしくなり、というストーリーは、まあ、予想通りですが、原作の「一人二役」のオチではあまり面白くない処を、どう話を収束させていくのか、がポイントです。

あまり観る機会もないでしょうから、ネタバレをしますと、彼は後輩役者に嫉妬から暴挙を奮いますが、一方でシナリオを書きあげ、狂喜の余り、戸外へ飛び出し、自動車事故に遭って死亡。しかし、残されたシナリオは、後輩役者を主役として舞台で演じられました。舞台では後輩役者が、妻を殺して終わりますが、あるいは、夫が後輩役者に成り切った上で殺したのか?と余韻を残す演出です。
そしてラストは夫の火葬の終了を、火葬場の外で待つ、後輩役者と妻、そして終始、夫の様子を眺めていた、遊び相手の女の会話ですが。その中で後輩役者の台詞が「(先輩は)芝居にだけは真剣で、シナリオも現実通りでなくちゃ気が済まなかったのかもしれません」というふうにまとめました。
※私の感想としては、昔の私小説作家が、実際に経験したことだけを小説に書くために、妙なことを実際にやった、という逸話に示唆を受けた、乱歩原作脚色だったのかもしれません?というところですね。
全体の流れとしてはサスペンスですが、要所ゝを喜劇的に演出し、真剣に演じる程に、愚行が喜劇となる演出だったと思いました。


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