というわけで、9月の乱歩月間?口開け、新宿紀伊国屋サザンシアターに観に行ってまいりました。客層は若い人達が多くて、やっぱり芸術系かな、という感じでした。パンフレットより、演出の深作健太(かの故・深作欣二監督のご子息)のコメントを引用しますと『乱歩三部作完結篇』『成長した小林芳雄を登場させ(中略)青春の終わりの物語を描きます』『(原作は)戦後の混沌を描こうとする新しい趣向がふんだんに盛り込まれています』etc.
パンフレットの冒頭には、乱歩自身の有名な原作について卑下した慨嘆がわざわざ?引用されており、その上で同作に挑むという意気込みを感じました。なにしろ私自身が、名だたる先達の評価の低い同作を何故わざわざ?と思っていたぐらいですから、こういう積極的な評価もあり得るのかと反省しました。
以下ネタバレあり。
展開は基本的に化人幻戯の原作通り、そこに「青銅の魔人」でプロローグ。庄司武彦に小林芳雄を当てて、召集、参戦で傷ついた青年として描き、戦争の背景を強調。二代目小林芳雄、花崎マユミ、ポケット小僧、明智文代、二十面相迄登場。大河原由美子の異常性をさらに強調して後味の悪さを濃くしています。
だそうです。
こちらここにきて、朗読劇を謳った「乱歩」が続出?しているのは、ようやく乱歩の、映像では表現されにくい「語り」の魅力がクローズアップされたということでしょうか。しかし、私、ホントに本当に追い切れるかなあ。
『文豪の名作×人気イラストレーター 全イラスト描き下ろしで贈る、新感覚コラボレーション・シリーズ』だそうで、江戸川乱歩作品も含めて諸々刊行中、だそうです。
こちら
8月15日の敗戦特番で毎年放送されている企画ですが、今年は「戦時下の不適切」をテーマに発禁処分とされた二冊のテキストを取り上げていますが、その一冊が、
そうです、乱歩の「芋虫」です。今ならまだ、聞き逃し配信で聴くことができます。