登場人物
北村格太郎,北村格二郎,北村お勢,北村正一,正一の友だちたちなど
主な舞台
特に記載なし
作品一言紹介
肺を病んだ格太郎の妻のお勢はその病気の夫を蔑ろにし、不倫を働くいわゆる悪女だぅたが、この事件ほど彼女の悪女ぶりが発揮されたことはなかったであろう。その唾棄すべき事件とは?
章の名乱舞(参照はちくま文庫)
一から六まで
※(異本たる春陽堂バージョンに於ける異章題)
1から6まで
著者(乱歩)による作品解説(ちくま文庫引用)
大正十五年七月号「大衆文芸」に発表。この作は発表当時好評であった。「週刊朝日」小説月評欄の文章の一部を抜萃する。「今月号でアッと驚かせるのは江戸川乱歩氏の『お勢登場』である・・・・・・自分は読んでいて咽喉をしめつけられる苦しさと恐怖を感じた。実に恐ろしさの身に迫るものだ・・・・・・裏からこの作者独特の空想的な凄味が溢れ出してきて、読むものの肌に粟を生ぜしめる・・・・・・この人は凄さを描写する作家として先ず第一人者であろう」いま読めばそれほどでもないが、当時はこういう批評を受けたものである。