登場人物
栗原一造(作中の私),田中三良,北川すみ子,お園
主な舞台
浅草公園など
作品一言紹介
栗原と田中はある既知感から浅草公園のベンチで知り合った。そこから田中の亡き姉、すみ子の秘密がわかろうとしたのだが・・・・・・・・
著者(乱歩)による作品解説(ちくま文庫引用)
春陽堂「新小説」大正十五年七月号(?)に発表。私は、非常に内気な人間が、恋愛などの意志を伝えるために、暗号通信をする話を三つ書いている。「算盤が恋を語る話」「モノグラム」「日記帳」がそれである。「プロバビリティの犯罪」の、犯人は絶対安全で、しくじったら何度でもやり直すというずるい方法と似ている。拒絶せられても、あれは恋文ではなかったと言えるような、内気な内気な通信である。
※(注)実際は「新小説」六月号。