黒手組


登場人物
私(「D坂」と同一人),明智小五郎,富美子,服部時雄,伯父,伯母,牧田

主な舞台
東京のある淋しい屋敷町,T原,千葉,

作品一言紹介
明智小五郎もの。トリックは平凡であるが、暗号は面白いかな。

章の名乱舞(参照はちくま文庫)
【顕れたる事実】【隠れたる事実】

※(異本たる春陽堂バージョンに於ける異章題)
顕れたる事実】→【あらわれたる事実

著者(乱歩)による作品解説(ちくま文庫(桃源社の全集)引用)
「新青年」大正十四年三月号発表。「心理試験」につづいて連続短編としては第二作であったが、これはどうも失敗だった。暗号がただむずかしいばかりで、味もそっけもなく、同じ暗号小説でも、「二銭銅貨」とは比べものにならない。もしこの作に取りえがあるとすれば、足跡の謎の部分であろう。この小説は昭和六年七月、帝劇で、市川小太夫一座によって劇化上演せられた。小太夫君はその後「陰獣」も自ら脚色して、新橋演劇場で上演したが、この二つの劇については拙著「探偵小説四十年」に詳しくしるしておいた。


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