火縄銃


登場人物
私(語り手),林一郎、林二郎、橘

主な舞台
A山麓Sホテル

作品一言紹介
乱歩学生時代の作品。自殺とも他殺ともつかない事件が発生するが、その謎は?というもの。トリック的には面白い。

著者(乱歩)による作品解説(ちくま文庫引用)
学生時代、日記帳の余白に書きつけておいたものを、昭和七年、平凡社「江戸川乱歩全集」第十一巻に入れたもの。幼稚な文章である。しかし、このトリックは、西洋ではポーストの「アンクル・アブナー」(一九一八年)の中の「ヅームドルフ事件」ではじめて使われ、のちにルブランが「八点鐘」の中の「水壜」で同じトリックを使っているのだが、私の「火縄銃」は大学卒業の大正五年(一九一六年)よりも一,二年早いわけで、トリックだけではポーストや、ルブランに先んじていたわけである。


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