疑惑


登場人物
名前はないが、友人らしき二人の人物

作品一言紹介
学生の友人二人同士による完全な対話形式。その一人の家庭は女酒で暴力とどうしようもない地獄の家庭。そこで親父が深夜撲殺されたのだ。それは家族にとって一時喜びにも繋がりかねなかったが、当初の犯人予測が外部だったのに対し、先ずハンカチから兄を疑ってしまい、ついには刑事にも尾行され、家族同士が疑い合うという、誰が家族の一人を殺したか? という疑心暗鬼の地獄家族状態になってしまうのだ。さてフロイトの精神分析・心理学的話に飛躍する本作の真相は!?

章の名乱舞(参照はちくま文庫)
【一、その翌日】【二、五日目】【三、十日目】【四、十一日目】【五、約一カ月後】

※(異本たる春陽堂バージョンに於ける異章題)
一、その翌日】→【その翌日】,【二、五日目】→【五日め】,【三、十日目】→【十日め】,
四、十一日目】→【十一日め】,【五、約一カ月後】→【約一カ月後

著者(乱歩)による作品解説(ちくま文庫引用)
「写真報知」大正十四年九月の号に発表。精神分析探偵小説を書いて見ようとしたものである。しかし、充分想を練るひまがなく、ちょっとした思いつきだけで書いたので、成功したものとは言えない。意あって力足らぬ作品である。だが、私の短篇では珍らしいものの一つには違いないと思う。

※(注)三回に分載している。九月十五日の号、二十五日の号と連続したあと、一度休載して、次の十月十五日の号である(第三巻二十六号、二十七号、二十九号)。


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