こんにちわ。
卒業論文を江戸川乱歩で書こうと考えている者ですが、先行研究が非常に少なく、あってもエッセイ的なものばかりのようです。
とりあえず「江戸川乱歩―評論と研究」は入手できたのですが、他にお勧めな評論があったら是非教えて下さい。
乱歩の研究と言えば、本人の回想録「探偵小説四十年」にしくものはないと思いますが、あえていえば松山巌の「乱歩と東京1920 都市の貌」PARCO出版'84刊 が、舞台になった当時の街と乱歩の嗜好に踏み込んだすばらしい評論だと思います。
元版は入手困難ですが、双葉社文庫の日本推理作家協会賞受賞作全集で再刊されています。お探しになってみて下さい。
また直接乱歩の評論ではありませんが、国書刊行会探偵クラブの一冊で「探偵小説のプロフィル 井上良夫」が、乱歩を触発した当時の重要な資料です。これもまだ大きな本屋さんにはあると思いますので、是非目を通していただきたい評論です。
参考になりますかどうか。以上ご参考までに。
ありがとうございます。
探してみます。
やはり随筆を使うのが得策ですかねー。
いちおう初期の短編を軸に、幻想文学としての乱歩を取り上げる予定です。
でもまだ本を探している途中・・・頑張りマス。
>あささま:
初期短編に対する幻想文学からのアプローチであれば、大正文学全般の流れの中から捉えた、川本三郎「大正幻影」(ちくま文庫)もお勧めだと思います。
乱歩に影響を与えた谷崎潤一郎、佐藤春夫、芥川龍之介や永井荷風、宇野浩二などの作品にある「幻想性」を主として論評していますが、乱歩についても触れております。
乱歩氏、最後の作品、遺作はなんですか?
乱歩先生の遺作は、昭和37年に執筆された少年向け作品『超人ニコラ』です。大人向けの作品としては、昭和35年に書かれたショートショート『指』です。
あのー江戸川乱歩のペンネームの由来ってなんですか?
記事NO.15を先ず読みなさい。そしてそこにも書いてありますが、そこから先は、調べてごらんなさい。
くだらない質問ですみません。
「深山木」、なんて読むんでしょうか?
角川ホラー文庫で読んだんですが、ふりがながありません。
みやまき、でいいんでしょうか。
好きに読めばいいとは思うものの、
もし正解があるなら教えてください。お願いします!
すみません作品名を書き忘れました。
孤島の鬼です。素人探偵深山木。
よろしくお願いします。
「深山木」の読み方は、「みやまぎ」で間違いありません。
本日発売の光文社文庫「孤島の鬼」で確認してきました。序盤の部分に、はっきり「みやまぎ」とルビがふってあります。
>松村さん
ありがとうございます!!わざわざ確認していただき恐縮です。
光文社のはルビついてるんですね。私も見てみます。
本当にありがとうございました!
本来なら、時事ネタなので掲示板にすべき所ですが紹介するとネタバレに近いので、こちらにて。
現在発売中のSF小説誌「SFマガジン8月号」掲載評論『この箱の中に宇宙が−SF演劇論序説』気鋭の評論家巽孝之氏が劇団燐光群の公演「屋根裏」を論じたものですが、それによるとこの演目の中の一エピソードがズバリ「屋根裏の散歩者」であり、そこで乱歩の同作の解釈を試みているそうです。巽氏が要点として引用しているところでは、主人公は明智に出会わなければ犯罪を犯していない。つまり探偵こそが自らの欲望=犯罪を犯人に代行させている・・・さて、孫引きは控え目にして、だから何なのかは、皆さん発売中の同誌をお読みください。刺激的な評論です。ちなみに劇団燐光群は常に現代日本に鋭く斬り込む舞台で有名な劇団です。
なるほど〜。というのが遅すぎました(汗)。
SFマガジン8月号。次回書店へ行ったときには目を通してみます。
それにしても明智の手のひらで踊らされた郷田君もまた哀れとしかいえませんね。
既に一般書店の店頭は9月号に変っていますので、孫引きだからと遠慮して中途半端な紹介をしていましたが、もういいでしょう。ここで、巽氏はこの場面を、現代的視点からの再解釈であるととらえ、探偵と犯人の共犯関係に、高度資本主義メディア社会における読者と作者、観客と役者、窃視者と被窃視者の間の共振関係の密接化を見て取っています。
現代社会批評>演劇批評>乱歩批評、の巧妙な入れ子構造の評論だと思いました。
かねてから「目羅博士」の独特の雰囲気に惹かれ、繰り返し愛読していたのですが、最近「?」と思うことがありました。
創元社推理文庫『恐怖の愉しみ(上)』を読んでいたところ、その中に収録されているエルクマン=シャトリアン「見えない眼」と「目羅博士」のプロットがほとんど同じだったのです(舞台はドイツのニュルンベルクとなっていますが)。
乱歩は「見えない眼」を翻案して「目羅博士」を書いたのでしょうか。どなたかお詳しい方、教えていただければ幸いです。
「目羅博士」は、乱歩自身が断っているとおり、H・H・エーヴェルスの「蜘蛛」を下敷きにした作品であり、僕も「蜘蛛」は読んだのですが、シャトリアン「見えない眼」は読んでおらず、詳細は分かりません。
が、「乱歩が選んだベスト・ホラー」(ちくま文庫)の、野村宏平氏によるエーヴェルス「蜘蛛」に関する巻末解説を読んだところ、そもそも「蜘蛛」自体が「見えない眼」に影響を受けて描かれた作品であるようです。
しかし、野村氏も指摘しているのですが、「目羅博士」の筋書きは、乱歩が明言する「蜘蛛」よりも、むしろ「見えない眼」の方に近く、乱歩が「見えない眼」について一言も触れていない以上、単なる偶然なのか、或いは「見えない眼」を読んだのにエーヴェルス「蜘蛛」と記憶違いしているのか、そこは定かではありません。
この程度しか分かりませんが、よろしいでしょうか?
「見えない眼」、「蜘蛛」、「目羅博士」を読み比べると、確かに「目羅博士」は「蜘蛛」よりも「見えない眼」に似ています。ちょっと調べてみたところ
創元推理文庫の『日本探偵小説全集2江戸川乱歩集』によれば「目羅博士の不思議な犯罪」は1931年初出。
erckmann chatrianをネットで検索すると、1859年?の短編集 L'Illustre Docteur Matheusに「見えない眼」が入っていたらしい。
ewers spinneで検索すると、「蜘蛛」はどうも1908年前後?に発表されたらしい。
さらに『江戸川乱歩集』に付録されている「自註自解」で乱歩が「連続自殺の着想はエーヴェルスの「蜘蛛」という短篇から借りた」と述べていますから、上で松村さんも書かれていますが、
1.「見えない眼」から「蜘蛛」を経由して、乱歩が「目羅博士」の着想を得た。
2.乱歩が、着想を得た作家・作品名を書き間違えた。(本当は「蜘蛛」ではなく「見えない眼」だった。)
3.乱歩は先行する2作から着想を得たが、何らかの理由(例えば「蜘蛛」のほうが、当時は有名だったなど)で「見えない眼」の名前は挙げなかった。
このあたりが考えられるのでは?あくまで仮説で確証はありませんけども。
怪しい眼光と野獣の爪牙に猫属の舌、この人間豹の正体は如何に、明智小五郎をして解明できなかった正体を考えてみました。
神谷が恩田邸を訪ねると、そこには何かの動物の人間のよりは平べったい髑髏があったと書かれています。ここから考えると人間豹は幼少時、恩田パパに整形され、そのときに豹の習性を叩き込まれたのではないかと思えます。では何故、恩田パパが息子にそのような整形を施したのか、彼の豹好きはその射殺に見せた苦渋でも読み取れます。無類の豹好きだから愛息を豹にしたい。それゆえに息子を整形したのではないでしょうか。しかし、このことは息子を人外異形のものとしてしまうことだったのです。気づいた今となっては息子はもとに戻せない。ならば、ということで、彼は贖罪として息子の願望を少しでも満たしてやろうとします。江川蘭子の誘拐から殺害に至るまでの過程を見てもわかりますが、犯行のお膳立てはすべて恩田パパがやってます。文代さんを殺そうとしたときもそうでした。彼が虎をけしかけ、恩田はそれを上で面白がって見ているだけでした。私には恩田パパは息子のために悪事に手を染めているとしか思えないのです。
そして人間豹の犯行動機、それは八重歯にあったのではないのでしょうか、恩田がアフロディテにやってきたのは弘子が八重歯を見せたとほぼ同時です。蘭子はどうだかわかりませんが、文代さんもまた、八重歯を持っています。恩田も同じです。恩田は八重歯に自己との同族性を感じたのではないでしょうか。そしてその八重歯を神谷が好きということは神谷は裏人間豹でもあると仄めかしているかのようです。話は前後しますが、恩田は当初、弘子に威嚇こそすれ殺意は持っていませんでした。弘子を殺したのは父親の許しがあってからです。文代さんにしてもそうです。自分になびこうとしないので熊の毛皮を着せたとも解釈できそうです。
しかし、これはあくまでも私の妄想に過ぎません。明智をしてもその正体に迫ることができなかった人間豹、父は自殺し、息子はその行方をくらました。私は正体は謎のままでいいと思います。ただあれこれ空想だけはしたいです。
私の脳内妄想改ざんバージョンでは、明智は文代さんにだけは密かに調べた正体と動機を明かすことにしています。もちろんそれが何だったのかは伏せられたままです。けれど文代さんはひとこと「かわいそうに……」と言って、物語は幕を閉じます。
文代さんは八重歯の魅力的なネコ科の美女だったのですね。
人間豹の出生の謎は皆さん一度は考えたことがあるのじゃないかと思いますが、恩田パパが整形を施していたというのは、全く思いもつきませんでした。やっぱりこの親子歪んでる・・・。息子を獣に変える手術をするなんて言語道断の鬼畜野郎です。(そのとおりですが)恩田は甘んじてそれを受け入れていたのでしょうか?心まで野獣のように成り果てていたので父親への葛藤といった人間らしい心情は残っていなかったのでしょうか?
人間が豹に変身する話で、印象深いのは「闇のパ−プルアイ」という漫画です。感情が激すると豹になってしまうという特殊体質を受け継ぐ一族に生まれた少女の悲劇が泣かせます。
手塚治虫の「バンパイア」や「きりひと讃歌」も人間が獣に変身する話です。手塚治虫はメタモルフォーゼというテーマにエロティックなものを感じていたようですね。乱歩とはまた違う切り口で描いていますが。
ななこ様
>文代さんは八重歯の魅力的なネコ科の美女だったのですね。
う〜〜ん、これはショックだあ(実は私はネコ嫌い^^)。
恩田の整形は数度にわたっておこなったかもしれませんね。先ず生まれたばかり、物心ついたかつかなかったかのころ(これで自分は豹なのだと納得させる)、そして乳歯が永久歯に変わるころ(牙を作るため)というふうにも考えられます。皆さんの考える人間豹の正体もお伺いしたいものです。
引用された「闇のパープルアイ」や手塚氏の作品は人間豹の延長戦的な作品なんでしょうね。かすかな記憶ですが、その手塚氏のアトムには手塚版パノラマ島もあったようです。手塚氏ってけっこう乱歩ファンみたいです。天才は天才に惹かれるんですね。
書き忘れの連投ですみません。
>心まで野獣のように成り果てていたので父親への葛藤といった人間らしい心情は残っていなかったのでしょうか?
恩田って意外と人間は純朴な感じしますね。弘子や蘭子へのプロポーズ、惚れた異性への不器用さ、ものさえやれば異性は自分になびくとか、麻酔をかがした文代さんへの独白「お姫様みたいに大事にしてやる」。その文代さんを二度目に捕らえたときの口上がかったセリフからもそう思えます。仮に幼少のころに整形されたとすれば、戦前の家父長絶対から見ても、親には逆らえなかったんじゃないでしょうかと思います。
(以下「夢遊病者の死」のネタバレがありますのでご注意ください)
名作、傑作ひしめく乱歩の初期短編群の中で、何故かファンの話題に上ることが稀で、地味な印象しか残していない作品が幾つかある。例えば「盗難」「覆面の舞踏者」「日記帳」「百面相役者」などであり、これらは、その構成やトリックにインパクトがない、乱歩独特の雰囲気に欠けている等、幾つかの理由が考えられるのであるが、いわゆる「名作」から漏れた、埋もれた短編群の中で、僕が最近、愛着をもって読み直している作品が幾つかある。「一枚の切符」「疑惑」などの他、以下、拙いながらも論じようと思う「夢遊病者の死」が、それである。
乱歩ファンであれば、本作のストーリーの紹介など不要であると思うが、単なる貧乏親子の不運な事件、氷の特長を活かした、ごく短い地味な作品、という印象しか持っていない読者が大半ではなかろうか?
だが、最近読み直してみて、その構成の緻密さに改めて驚いたものである。
冒頭の滑からな語り口、この部分は取り立てて言及するほどのものではない。「二銭銅貨」「二廃人」「人でなしの恋」「お勢登場」など、書き出しの上手い作品は他にもある。
だが、この後の貧乏長屋での貧窮生活にあえぐ親子の哀切極まる描写、良く「宇野浩二の影響がある」と引き合いに出される部分であるが、この何気ない私小説風の描写に、この作品の全てが伏線として投げ出されていることに気付かれたであろうか?
先ず父親との諍いに至ったのは、降り続く雨で彦太郎が外出できなかったことがキッカケであった訳だが、実は、この「雨」が、本作を成立させる上でのキーとなっているのである。ここで「雨」が降ったことで、無聊を託つ彦太郎が、後半、凶器を暗示する「文鎮」を所在投なげに弄ぶ描写が活きてくるのであるし、何よりも「足跡」の謎と例の「凶器」トリックも、事前に雨が降っていなければ成立不可能なトリックなのである。
即ち、ジトジトと降り続く鬱陶しい雨という、如何にも貧乏私小説にありがちな常套の演出に見せかけつつ、実はそれがトリック成立上、必要不可欠な要素である、という処理の仕方に感服したものである。これが下手な作家の手にかかったら、雨が降っている描写をした時点で、足跡や氷の件を、先に読者に気付かれる恐れすらあるところである。
また全編を通して、無駄な文章が殆ど一つもなく、全てが事件とその真相を支えるのに不可欠な描写ばかりである点や、彦太郎の心理の移り変わりを簡潔ながらも的確に描写する文章にも舌を巻いたものである。
更に付け加えるならば、足跡の謎の真相となる「割れていた下駄」という、貧乏生活を象徴するような哀しいオチと、凶器の「花氷」という小道具の、如何にも華族の屋敷にありそうな贅沢さ(冷蔵庫が普及していない大正時代には、夏の氷はもちろん贅沢品である)の対比にも注目したいところである。
「貧乏親子を破滅に追いやったものが、この華族の贅沢品であったという点に、貧富の差に対する皮肉な抗議がある」と主張するのは、牽強付会に過ぎるだろうか。
従来、乱歩作品でのプロレタリア文学との関連と言うと「芋虫」と「毒草」ぐらいしか引き合いに出されていないが、「夢遊病者の死」の、この二つの小道具が持つ、皮肉な貧富の対比にも注目して良いと思う。
結局のところ本作は、結末の真相に至る部分がはなはだ急であり、推理を楽しむ過程に欠けている点で、他の初期名作群に一歩を譲る結果となってしまったのであろうが、本作の文章、構成では、そもそも名探偵が登場して真相を解明するような展開には最初から出来ない話である。
確かに地味な印象だし、トリックにも独創性があるとは思えないが、隅々まで計算された構成、私小説風の文章にすることで「雨」のもつ意味を隠した秀逸さ、小道具の持つ意味など、本作は埋もれた名作に相応しい出来であると再評価した次第である。
うっ、これも誰もが考え及ばない点を鋭く付いてきましたね。松村さん。小道具的なさりげない描写などはほとんど気にもしていませんでしたが、確かに鏤められた複線の構成力っを気に掛けると、ここまで表面化してくるわけですね。
まさに松村さんの考察力の美事さです。「疑惑」、「二銭銅貨」と「一枚の切符」などなどに続く松村さんの乱歩論が読み応えがあります。
いえいえ、「夢遊病者の死」は私は目立たないとは思っていませんでした。その通りっ! と思いますね。父親を殺したかもしれないというサスペンス、そして意外な結末と中学の時に始めて読みましたが、面白いっと思いました。「灰神楽」などもそうですが、初期の短編て本格ミステリーとして出来はよくても、そのために小粒で見過ごされやすいって意味で損しているところがありますね。誉められもしなければけなされもしない、そんな初期短編群にも光を当てましょう
乱歩を知り初めた頃は、全ての作品に明智小五郎や小林少年が登場すると思っていましたので陰獣」や「パノラマ島奇談」を「いつになったら明智先生や小林君が出てくるんだろう」と思いながら読んでいました。この2編にはご存知のように二人は登場しませんが、いわゆる青年向きの作品にも彼らが出てくる話は多数あります。明智小五郎は「大人」なので当然なのですが、ジュヴイナルの主人公である小林少年が猟奇耽美の妖しいアダルト乱歩に登場するのが子ども心にはなんとなく変な感じがしたものです。最近映画「D坂の殺人」を観て、成人指定のあのエロティックな画面に三輪ひとみ扮する小林少年が何の違和感もなくおさまっているばかりか、ラストシ−ンにいたってはどうやら実相時監督が撮りたかったのは、嶋田久作でも真田広之でもなく彼(というか彼女)であったらしいことに気づき、改めて乱歩世界における小林少年というキャラクタ−はどういった存在なのだろうかと考えてしまいました。
年齢的にも子どもと大人のはざまに位置する彼は、他の少年探偵団員と違って勧善懲悪のよいこの読み物、乱歩少年物世界と猟奇官能渦巻く大人乱歩の世界を何の衒いもなく飄々と行き来します。思えば、彼の二重生活はこれにとどまりません。聡明で勇敢な「理想の少年像」という評価を受けながら、一方で愛くるしく可憐な「理想の少女」にもなり得てしまう彼は性のカテゴライズさえもいとも簡単に飛び越えうる存在であり、さらには良家の子息の集まりである「少年探偵団」と浮浪児集団の「チンピラ別働隊」の唯一の橋渡し的存在でもある訳です。
二十面相は、勿論のこと明智にしろ文代にしろ黒蜥蜴にしろ、乱歩世界のキャラクタ−たちは大仰なまでの多重性を読者に見せてくれますが、その例にもれず、一見これといって奇異なところのない小林少年もよく考えてみるとなかなか複雑なキャラなのです。この辺りを押し広げてみるとまた新たな妄想贋作小説が出来そうですね〈笑)
さすが、ななこさんらしい小林少年考察ですね。小林少年が象徴しているものは深く考えれば考えるほど、異常なおもしろさを持ってくるのかも知れません。
ぜひ妄想贋作小説を一つ。ストーリーだけでも期待していますよ。
ななこ様
>二十面相は、勿論のこと明智にしろ文代にしろ黒蜥蜴にしろ、乱歩世界のキャラクタ−たちは大仰なまでの多重性を読者に見せてくれます。
その多重性が私には青年向けに登場する明智探偵や小林少年と二十面相と戦う二人と同じ人なの、同じ作品世界なの?
と思うときもあります。
もしかしたら、乱歩は小林少年に何かを託してるのかも知れませんね?その「何か」はご慧眼をお持ちの皆さんにはもう、お気づきとは思いますが。
新たな妄想贋作小説は……、妻と娘の妄想改ざんでご勘弁を^^。
江戸川乱歩の名前の由来である小説家の名前とその作品がどうしても思い出せないので教えてください。できればその小説家の人物像も知りたいし乱歩はその人のどこに惹かれてペンネームにしたのかも知りたいのです。
エドガー・アラン・ポーです。ただしこれ以上のことはここでは教えません。どこでもいいから、この名で検索してごらんなさい。貴方の知りたいことは、いくらでも知ることができますよ。それ程の偉大な作家です。
アイナット様&ななこ様
少々お待たせしました。それでは脳内妄想の一部をさらに。
1)明智文代
言わずと知れた明智小五郎の愛妻。結婚を機に専業主婦となったが、時には内助の功を見せ、時には名探偵の精神的支柱として、さらには少年探偵団やチンピラ別働隊、大人の助手たちにとっても心のよりどころである。美貌や人柄もさることながら、気品や知性、教養も比類がない。白のドレスと毛皮の裳裾を美少年たちに持たせ扇に顔を隠して、「黒蜥蜴」でのホテル晩餐会に出席、扇をおろした瞬間、あまりの美しさに早苗さんは魅了され、黒蜥蜴に嫉妬の余地さえ与えなくする。横道だがあるとき、その場にいた外国人に「私の国にかつていた皇后のようです」と言われ「恐れおおうございますが、光栄に存じます」とオーストリア語とハンガリー語で答えてその人を感嘆させる。会食とその後の語らいで黒蜥蜴と対決。彼女の人となりを見抜き、後日夫を救うとともに、一瞬の隙を突いて早苗さんを影武者と入れ替える(入れ替えトリック、今はナイショです)。「暗黒星」でも道を誤りそうになった夫を救う。他では「化人化戯」で大河原由美子と(直接でなくても)対決させたり、「凶器」や「月と手袋」の主役もどうかと考えています。さらには奥村妙子との対決も……。
2)明智善恵
明智夫妻の愛娘、文代さん譲りの美少女。(妄想を変更して)「地獄の道化師」か「大金塊」のラストでご懐妊が明らかになる。初登場は「青銅の魔人」。明智と小林の会話に替わって、お母様に事件を手がけぬお父様のタメを叩く。その後もチョクチョク顔を出す。良家のお嬢様に相応しい品と探偵としての才能はあるが、学校の勉強は大の苦手。「黄金豹」ではベランダでやって来た依頼人をお母様と観察、人物評をする。探偵デビューは「妖人ゴング」と「サーカスの怪人」で、寿引退した少女助手に替わって少年探偵団の副団長に就任。ピストルは持っているが、実戦射撃の経験はなく、「奇面城の秘密」でヘリに乗り込み、背後から小林少年と一緒に二十面相に拳銃を突きつけるが、力んで力んで実戦射撃未経験を二十面相に窘められる。推理は当たりだすととまらないが、ひとたび外れだすともうそのまんま。それでも段々と成長を重ねてゆく。小林少年に恋心を抱き、二十面相との最終決戦後、明智の引退、または小林の独立に伴ってゴールインする。憧れの人はお母様、いつまでもかわらぬ美しさと、自分を産んだとは思えぬ体を羨ましがっている。
3)少女助手(名前未定)
「人間豹」から登場。Z曲馬団の団員で、救出された文代さんを介抱する。事後処理に忙殺される夫にかわって文代さんの入院に付き添い、彼女のあたたかな人柄に引かれ、そのまま病院に泊り込み、退院にも付き合い、そのまま明智家にいついてしまい、助手兼文代さんの世話係りになるが、実際は後者。文代さんを慕い、彼女の命令ならどんな危険な任務も厭わない。「黒蜥蜴」では文代さんのおつきとしての登場だが(ここでは先輩の少女助手が入れ替わる)、「怪人二十面相」から少年探偵団の初代副団長に就任。「悪魔の紋章」で本格的に探偵デビュー。同事件ではその特技をいかんなく発揮して心理上の盲点を突く。以後も小林君とともに明智の両腕となるが、その後「黄金豹」あたりで寿引退。「妖人ゴング」で二十面相に復讐される。
脳内妄想の一部を紹介させていただきました。善恵さんは明智夫妻に子供がいたらと考えて(嫌いじゃないんですが)マユミさんに替わるキャラとして妄想しました。けど、黒蜥蜴よりもゴージャスに着飾る文代さんは美人の特権かな?
う〜む、なるほど。文代夫人は乱歩世界のマドンナなのですね。ハンガリ−語までお出来になるとは驚きです。
昔から何となくマユミさんは小林君の事が好きなんだろうなと思っていました。私は「きれいなお姉さん」という感じのマユミさんも結構好きなのですがもう一つ個性的でないせいか印象が薄くて。その点明智善恵はちょっとやんちゃな感じで天然ぽくもありキャラが立ってますね。小林君と結ばれてもユルス。
ではななこ様、補足も兼ねて
>う〜む、なるほど。文代夫人は乱歩世界のマドンナなのですね。ハンガリ−語までお出来になるとは驚きです。
明智夫妻は、どんな特技があっても違和感なしですからね(文代さんはお茶やお花、お香、和歌ぐらいは朝飯前=なんと下品な言葉遣い^^、にしました)。文代さんをオーストリア・ハンガリー二重帝国の皇后だったエリザベートに見立てて見ました。だからオーストリア語やハンガリー語も流暢にしたのです。ウラ黒蜥蜴+エリザベートの狙いがあります(衣裳の白と黒は善と悪の対比、片や美少年、片やしゅじゅ=漢字がでません、も美醜の対比を狙いました)。
>明智善恵はちょっとやんちゃな感じで天然ぽくもありキャラが立ってますね。
お母様っ子で育った善恵さんは仕事に夢中で家を省みないお父様が嫌いだったんですけど、探偵の仕事にしても合法的に勉強しないですむ(普通に勉強すれば成績なんて簡単に上がるぐらいの頭はあるんですけど、いかんせん……)というのが理由なんですが、探偵やってお父様の仕事がいかに大変で責務も重いのかを身をもって知り、以後はお父様を尊敬するようになります。その善恵さん、お母様のような身体になりたくてシェイプアップに余念がありません。
>小林君と結ばれてもユルス。
最後はハッピーエンドにしたいですからね。
文代って『魔術師』で陰惨極まりない美女解体に荷担した
基地害女ですよね?
ナンであいつは死刑にならないのですか?
今回は個人的な思い出話で恐縮ですが、中学生時代に、畏れ多くも「押絵と旅する男」の続編を創作しようとした話を書かせていただきます。
中学生の頃、幾つかのミステリの創作を試みたことは、以前にもお話ししましたが、或る日、「押絵・・・」のラストシーンから始まるミステリを書いてみようかと思いました。プロットとトリック、それと或る仕掛けは考えついたのですが、結局、本文は書き出しの部分とラストを書いたのみで、中絶してしまいました(笑)。こんな話です。
(「押絵と旅する男」の結末についての言及、更に僕の幻の作品(笑)のネタバレがありますのでご注意ください、・・・って、俺の創作のネタバレなんか、どうでも良いか)
(冒頭)
北陸・親不知辺りの小駅に降りた、包みを抱えた老人。やがて夜の闇の中で変装を解くや、彼は何と三十歳代の若い男であった。先ほどの列車で会った男には「親戚の家に泊まる」などと言っていたが、村の或るみすぼらしい宿屋に宿泊する。
翌朝、朝刊に目を通し、「芥川龍之介自殺!」の記事に衝撃を受ける男・・・。
やがて、この村で謎の殺人事件が起きる。だが容疑者の男には鉄壁のアリバイが。警察もお手上げの中、宿屋に泊まる謎の男が容疑者のアリバイを打破、鮮やかに事件を解決する。
(結末)
事件が解決し、村を後にする謎の男。列車に乗り込んだところで、ヒロインの女性がプラットフォームに駆けつけてくる。「あなたのお名前は・・・?」
動き始めた列車の窓から男が答える。
「私ですか?私の名は平井太郎、取るに足らぬ男です・・・」
(完)
・・・いやはや、我ながら苦笑ものですね。
要するに、「押絵と旅する男」こそが乱歩本人で、更に彼を探偵役にして事件を解決させ、名前は最後まで伏せておき、ラストで正体が分かる、というストーリーにしたかったものです。
なお「芥川龍之介自殺」の件が伏線となっており、この記事が朝刊各紙に掲載されたのは昭和2年7月25日、乱歩の年譜にあるとおり、昭和2年6月から、彼は日本海沿岸等を放浪していた筈ですよね。
また乱歩のエッセイ「放浪記」にも、「親不知子不知のみすぼらしい宿屋へ滞在した」と明記されていることも伏線でしょうか。
なおアリバイのトリックは、いわゆる「二つの部屋」トリックで、村から離れた場所にある部屋と全く同じ内装の部屋を村にも用意し、或る第三者に、離れた場所の方に被害者の死体があったように錯覚させ、更に時間も確認させておくが、実はそこは村の中のソックリの部屋であり、後で死体を離れた場所に移動させ、そこで発見させてアリバイを作り出す、というトリックを考えていました。
更に、村は親不知近辺の交通の不便な所であり、事件当時、村からの移動は困難、都合の良い時間に列車はなく、また海は時化で船は出せず、陸路も無理、従って犯人のアリバイは完璧、と思われたところで、探偵役の乱歩は冒頭の「芥川龍之介」の件から、彼の或る有名な作品名を思い出し、或る隠された移動手段を指摘し、アリバイを打破する、というものです。それは即ち「トロッコ」・・・。
結局、プロットに無理があったのか、「二つの部屋」トリックの描き方に行き詰まったのかして、冒頭と結末以外はメモが残るだけの、幻の作品になってしまいました。
因みに結末の部分は、当時読んで感動した、J・D・カーの某傑作短編と、横溝正史の某短編にヒントを得たものです、って、ラストの乱歩のセリフは、横溝の某短編の某氏のセリフそのままですけどね。あと、ラストで探偵の正体が分かる、乱歩自身の某中篇の影響もあったかも知れません。
でも細かく見ると、様々な矛盾がありますね。先ず、体格の良い三十代の乱歩が「やせた老人」に変装していたという設定が無理ですし、「押絵と・・・」の本文には、確か「親不知の断崖を過ぎ、二、三の小駅を飛ばして・・・」とありますから、男が降りた駅が未だに親不知近辺なのも変ですしね。それにトロッコで移動するのも、下り坂はともかく、帰りはどうするのでしょう?(笑)。所詮、中学生の知恵など、こんなものです。
ひょっとしたら、似た設定で、放浪中の乱歩を探偵役にしたプロの作家の作品が既にあるかも知れないですね。僕は寡聞にして知りませんが・・・。どなたか、僕のプロットを使ってみません?(笑)
ヘイ、お退屈さま。
松村武様
はじめまして、ボケッと小僧と申します。
実は私も、頭の中の妄想レベルですが、「人間豹」以後、出番のほとんどなくなった文代さんの出番をもっと出そうと作品を改ざんしています。物語は基本線を守っても若干の変更があります。
以下、列挙しますと
1)人間豹
この段階でマユミさんが助手として登場する。あるいはラスト、文代さんを看病していたZ曲馬団の少女団員(原作にはでてこない)がこのまま、押しかけ助手となる。
2)黒蜥蜴(内助の功)
早苗さんが文代さんの手引きで冒頭でマユミさんか押しかけ助手と入れ替わる。岩瀬庄兵衛は成り上がりの俗物で文代さんを商売敵の女と毛嫌いし、明智もその商売敵の息がかかった探偵と思っている。そんな「商売敵の息がかかった探偵」でも金で横っ面を張れば雇えると一人悦にいっている。
ラスト、事務所に戻った明智は文代さんに口づけの告白をするが、ここで彼女の命台詞があり、夫婦の絆がさらに強まる。そこへ奥村妙子の処刑が伝えられる。
3)悪魔の紋章(内助の功)
明智の留守中、三重渦巻きの指を見た文代さんは小林少年やマユミさん、または押しかけの少女助手とともに行動を開始。その結果、最後はハッピーエンドが待っている。ちなみに指を発見した青年は文代さんの美貌と気品と知性と教養にすっかりポ〜〜ッとなってしまい、最初明智事務所入りを志願するが……。その後念願かなって明智事務所入りする。
4)暗黒星(顔出し)
入院した明智を見舞う。そのとき二人の間に女の子が生まれていたことが判明する。彼女の名は善恵(よしえ)、命名者は文代さん、あうことなかった実父の一字をとって、この子が祖父の愛情に包まれるようにと願って名づけた。
5)地獄の道化師(内助の功)
相沢麗子の友人として登場、麗子は文代さんのおかげで有名になったので頭があがらない。その麗子は性格の悪い女性として登場し、例の狂女を気味悪がるが、文代さんに言われて引き取ることに。
番外1)大暗室(内助の功か?)
出張中の夫に代わって、有明主従に事件解決のヒントを与える。
6)怪人二十面相(顔出し)
少年探偵団には女の子もいる。マユミさんまたは押しかけ助手が副団長になる。
番外2)少年探偵団
小林君の女装はキモイのでマユミさんか押しかけ助手にやってもらう(以後も)。
7)青銅の魔人(顔出し)
夫にハッパをかける。
8)虎の牙
登場していますが、ラストは邸内での明智と二十面相との決闘になる。その後、夫婦の抱擁あり。
9)黄金豹(顔出し)
バルコニーで明智と依頼者を観察する。
10)サーカスの怪人(顔出し)
ここで善恵さんが探偵デビュー。小林少年に代わって笠原邸に潜入。
11)妖人ゴング(顔出し)
マユミさん(または押しかけ助手)が引退し、善恵さんが皆に初めて紹介され、副団長に就任。二十面相は引退したマユミさんまたは押しかけ助手(彼女の場合は寿引退)にお礼参りとなる。文代さんは身代わりとなって二十面相にさらわれた愛娘を心配する。
12)奇面城の秘密(顔出し)
夫と散歩する。このシーンが愛人と散歩しながらも明智の影に怯える二十面相との対比となる。
13)仮面の恐怖王(顔出し)
アジトから脱出した夫ともに馴れ初めを懐かしむ。
14超人ニコラ(顔出し)
実家と思われる宝石店が出てくる以上、出さないわけには行かないでしょう。もしかしたら構想してたかもしれない二十面相の最終回で何らかの形で近況が明らかになってたかもしれません。
と、まあこんなところです。文代さんが台詞を伴って登場するのは「人間豹」以後、確か「虎の牙」と「透明怪人」だけと思いましたが、言葉遣いひとつだけでも良家の奥様の色香が伝わってきます。結局、病で高原療養所に行ってしまってそのままですが、いなくなることによって強烈な存在感を感じさせる、明智文代という人はそんな人です。
>松村武さん
これはすばらしい披露ありがとうございます。中学時代にこれだけのプロットを考えついたという点だけでも称賛に値すると思いますよ。複線にエッセイも絡ませていますし。
そもそも「押絵」を本格物に仕立てあげようとする所が意表外というものですし、この草稿からの完成を期待ですね(笑)
>ボケッと小僧さん
文代さんファンは多いようですから、これは嬉しい設定になるのでしょうね。ドラマなどの脚色には使える予感ですね。
松村さん
お久しぶりです。お元気でいらっしゃいましたか?
芥川の自殺を絡めたりして、時代背景にも配慮されているところや、さりげないオチのつけ方とても中学生が考えたとは思えないですね。私も同じ頃乱歩小説もどきを書いていましたけど、あまりにレベルが違いすぎます!
ポケット小僧さん
こんな妄想を抱かせてしまうほどに、文代さんて魅力的な女性だったんだなと改めて感じました。少女探偵明智善恵はどんなキャラクタ−なのか気になります。
アイナット様&ななこ様
脳内妄想をご理解くださりありがとうございます。別スレにてレスさせていただきますので少々お待ちください。
先月、池袋の新文芸座の映画で江戸川乱歩の特集があり、それを見たのがきっかけで、高校の時にはまっていた懐かしい江戸川乱歩の作品を再購入して読み返しました。大昔のことなので粗筋はほとんど忘れていましたが・・・(汗)
長編でかなり世界に入ったのは、「孤島の鬼」です。主人公に恋慕する美青年諸田道雄・・・女性の私は、こんな人にこれほど愛されるなんて〜と溜息ばかりついておりました。推理怪奇小説だけれども、2人の関係も重点が全体に置かれ、ただの色づけでないところも気に入りました。読み終わったとき、悲しい恋愛物語を読んだ味わいがありました。(と言っても陳腐な恋愛三文小説ではなく)
孤島の鬼、大人気長編ですよね。この勢いで乱歩作品に再度親しんで、大人になってから、ならではの新発見も読んでいる内にしてくださればと思います。
ゴリラ男も黄金仮面も「タイガーマスク」に出てきます。役どころは虎の穴を裏切ったタイガーをつけねらう刺客です。梶原一騎氏は乱歩小説のファンだったのでしょうか。
ちなみに三重ではゴリラが「介護リラ」っていう名前でとある老人ホームで活躍中です。
梶原一騎に乱歩ネタ?、ちょっと面白いですね。
しかし関係ありませんが、三重が三重指紋に見えてしまいました(笑)
自分は逆に三重指紋を三重と思ってしまいました。もしかしてそれが元ネタなんですかね。
そういえば同じ梶原一騎氏の「侍ジャイアンツ」の主人公は番場蛮、鮎川哲也氏の名作「黒いトランク」で、トランク詰めの被害者は馬場番太郎(初版は蛮太郎)、馬場は「ばんば」とも読みますし、梶原氏ってけっこうミステリ好きだったかも。
作品人気投票にも投じたのですが、「超人ニコラ」はもしかしたら構想していた最終回への伏線だったのでは……。
妄想すると
明智は二十面相に完全勝利して、事務所を小林少年に譲り、自分は探偵業から退き、病の癒えた文代さんと水入らずの時を送るべく、二人してアケチ1号でどこへともなく去って行く……。
なんてのは……・
少年物に関してレスする能力に不足している管理人です。ちゃんと読まないととは思うんですが、なかなか進まず・・・。
ということで、得意な方いましたら、どうぞコメントお願いします。
ふっふっふ。少年物ならお任せあれ!ってほど造詣が深いって訳ではないんですね。ただ、単に好きなだけで。私としては二十面相の最終回っていうのは読んでみたいけれど存在して欲しくないっていうか、複雑なところです。物語が未完成だから、二十面相と少年たちは平成のこの時代でもどこかで飽くなき追いかけっこを繰り広げているかもしれないなんて思える余地があるわけで。少年たちは茶髪だったりするのかなあとかチンピラ隊は池袋WEGPのGボ−イズみたいなかんじだろうかとか(なんのこっちゃ)
でも、こんな妄想いえいえ新たな想像意欲をかき立てるところが少年探偵団物の魅力でもあるんですよね。ポケっと小僧さん、ぜひその後の話を書いてください。
訂正
池袋WEGP→WGP
想像意欲→創作意欲 失礼しました!(汗)
ななこ様
返事が遅れて失礼しました。確かにおっしゃるように、平成の今も明智小五郎と少年探偵団は怪人二十面相は戦っているのかもしれませんね?
ところで私の脳内妄想(能ない妄想)する二十面相の最終回は新たなる明智家の女たちの一人が役どころをつとめます。
その新たなる明智家の女性とは……。
5)奇面城の女性
妄想ヴァージョンでは文代さんそっくりになっています。二十面相にも文代さんはマドンナなようです。とは言っても所詮は無理に変装させた作りもの、美人でスタイルもいいのですが、美貌も麗姿も何もかも文代さんの足元にも及びません。奇面城から任意同行ですが、逃亡と証拠隠滅のおそれありとのことで収監されますが、彼女の取調べ中に二十面相は自分一人でさっさと脱獄。彼女は犯罪に関与なしということで保釈され明智夫妻に引き取られ、文代さんに仕えています。その彼女が最終回に……。
後はまた後日……。
上の続きですみません。少々補足しますと……。
奇面城の女性は保釈されても寄る辺もなく、二十面相の女ということで世間からどう見られるか……。それを明智夫妻が慮って引き取ったのですが、それを我らの少女探偵明智善恵さんは「搭上の奇術師」の冒頭で……。
「お父様が捕まえた宝石泥棒に恋人がいたの。ところがその人、他に身よりもないし、その泥棒の恋人だとわかったらみんなからどんな仕打ちをされるか、それでお父様とお母様は不憫に思って家に引き取って、お母様の身の回りの世話をしてもらっているの。宝石泥棒もお父様の敵じゃないし、その女の人もお母様の足元にも及ばないってことね」
善恵さんは得意満面になって、両親の自慢話をしています。すると、ふと見上げた時計塔に、あのコウモリ男が……。それを見た我らの善恵さんは……。
以下、ご想像に難くなく^^。
疑問のお尋ねという訳ではないのですが、ネタバレに絡む話ながら、どうしてもお知らせしておきたいことがありましたので(既にご存知の方もいるかも知れませんが)、此処へ書き込ませていただきます。
(以下、乱歩「悪霊」の犯人を、海外の或る作品と同一にする構想があった旨のネタバレがありますので、ご注意ください)
先日、横溝正史「髑髏検校」(講談社大衆文芸館)の巻末付録の、横溝と都筑道夫の対談を読んでおりましたら、乱歩「悪霊」が中絶に至った頃の話が出てきました。
ご存知の方も多いと思いますが、「悪霊」が中絶した件で横溝は乱歩を辛辣に批判したのですが、後日、乱歩に会った時、「悪霊」の叙述形式の特異な点を捉えて、横溝が「乱歩さん、あれはドゥーゼの『スミルノ博士の日記』と同じ犯人を考えていたのでしょう?・・・云々」とカマをかけたところ、乱歩が頷いた、というものです。
この話が本当だとすると、もしも「悪霊」が完成していたとしたら、あの大トリックを使った、日本での先駆的な作品になっていたということでしょうか。
個人的には、「悪霊」の叙述形式は「闇に蠢く」と同様の単なる演出だとばかり思っていたので、大変驚きましたね。「悪霊」には更に、J・D・カー「プレーグコートの殺人」に似た状況での密室殺人まで登場している訳ですから、これは是非とも完成して欲しかったと改めて思いました。
…尤も、あの犯人の設定で、密室殺人を描写した時点で、この作品は破綻してしまったのかも知れませんが。
なお余談ながら、上記の横溝の話は、横溝自身の某長編(これも同一トリックを使っています)にも絡んだ話でした。僕はこのトリックに、彼のその作品で初めて出会い、腰を抜かすほど驚いたことを思い出します。
うわ、これは凄い情報です。よもや「スミルノ博士」を嚆矢とするあの大トリックを狙っていたとは!? 私がこのトリックに出会ったのは世界一有名だろうミステリ女史作家のあの作品なのですが、乱歩が完成させていれば、出会いはこの「悪霊」からだったに違いなく、更に高まる完成度で恐るべき作品に昇華していたに違いないですね。
それにしても、恐るべき情報でした。
おっと、名前打ち間違えてました。
『悪霊』についてはずいぶん以前に別の名前で書き込ませていただいたことがあるのですが、創元推理文庫の解説によると『悪霊』は『心理試験』『虫』などとともに乱歩が気に入っていた作品の一つだということなのですが中絶された不思議な作品なのですよね。同時期に連載されていた他の作品は書き続けられたというのにです。なぜ『悪霊』だけは中絶されたのでしょうかね。
>鎮西さん
過去ログで「悪霊」ネタは意外に少なかった事もあり、前の書き込みを拝見したのですが、なぜ「悪霊」だけが中絶されたかという点ですよね。
つまり同時期にやっていた「妖虫」「黒蜥蜴」は書けて、なぜゆえに「悪霊」は中絶したのかという疑問と言う事ですね。
全く乱歩の考えていたという所を書くと、それは「悪霊」の発表媒体が「新青年」だったからですね。「新青年」と言えば、探偵小説の牙城、乱歩にしてみれば、処女作からもっとも探偵的文学的才能を発揮した大正年間に活躍した雑誌です。昭和に入っても、「新青年」に発表した「陰獣」「芋虫」「押絵」は今もって探偵小説ファン内外から絶大な支持を得ている作品ですね。まぁ、そういうわけで、この「新青年」、乱歩としては「蜘蛛男」以降の通俗味の濃い長篇を発表していた「キング」「講談倶楽部」「日の出」などの大部数大衆雑誌とは一線も二線も画した、探偵小説孤高の雑誌と考えていたようです。「新青年」にだけは「蜘蛛男」以降の大衆読物を発表したくないと考えていたということです。
この頃は、「新青年」編輯長・水谷準は昭和八年に連続中篇企画をするなど探偵小説に傾いた編輯をようやく復活しはじめた頃で、他雑誌で大活躍の乱歩の原稿を催促し続けてきます。目玉的に「陰獣」の再来を期待してきます。その熱意の注文に乱歩も思わず承諾してしまい、それでも書けないものだから、何度も編輯後記で乱歩の新作について言及され続けてしまいます。それで構想半ばで書きだしたのが、「悪霊」というわけですね。
乱歩は通俗長篇と呼ばれる「蜘蛛男」以降の大衆長篇作品についても、構想半ばで書きはじめていますが、こちらはあくまでも大衆探偵物と本人も割り切っていたので、行きづまっても、無理やり続ける事が出来ましたが、「新青年」発表の「悪霊」については、大衆探偵小説ではないので、行きづまってテキトーにお茶を濁すという行為は乱歩の心的には我慢出来なかったのでしょう。確か二ヶ月間ほど休筆したあげくに投げ出して仕舞ったと言う事ですね。もちろんこの時、水谷準はカンカンになって突き放しています。
まぁ、そういうわけで、「悪霊」だけが特別だったという訳ですね。むしろ私的には「空気男」の真の中絶理由の方が謎ですが、まぁ、こちらは「ぺてん師と空気男」として魂が吹き込まれていますので、構想的には捨ててなかったと言う事なのでしょうが。
と、話を戻しますが、しかし私が思うに、それほどまで「新青年」での大衆でない、本格探偵小説に拘るなら、なぜ「妖虫」「黒蜥蜴」と平行連載を試みたのかが謎ですね。「悪霊」一本に絞っておけば、このような中絶悲劇も避けられたやもしれないのに。「妖虫」「黒蜥蜴」が乱歩長篇の中でも決して下位にならない事を考えると、スランプだったという言い訳も、はてな? ということにもなりますし。まぁ、とどのつまり乱歩は執筆前の綿密な構成力はないが、執筆中のストーリー作成力は絶大であると言う事でしょうか。
>鎮西さん
ところで、乱歩が「悪霊」をお気に入り作としているという創元推理文庫の解説は、どの作品のものでしょうか? 上記のような訳ですから、乱歩がこの中絶作をお気に入りに挙げているとの話には、不思議を感じるので。
横溝にネタを言い当てられる前に、その前にも誰かにネタを言い当てられて、ばれるなら止めた!って単純な理由だったり。
それとも、あえて未完の名作として売るつもりだったのかも(笑)
横溝が乱歩に途中で止めたことを怒るぐらいの名作なんですからね(笑)
大抵、作者が書いてる途中で死んでそうなる物が多いけど、
乱歩ぐらいなら生きてる内からそんな策があってもいいかなって。未完で有名なのに「夏目漱石」の「明暗」とかがあるけど、
いろんな作家がその続きを書きたがった訳だから。
未完の魅力たるや、どんな方向にも増大します。
>アイナットさん
>全く乱歩の考えていたという所を書くと、それは「悪霊」の発表媒体が「新青年」だったからですね。
な、なるほど。言われてみればそのとおりですね。
>ところで、乱歩が「悪霊」をお気に入り作としているという創元推理文庫の解説は、どの作品のものでしょうか? 上記のような訳ですから、乱歩がこの中絶作をお気に入りに挙げているとの話には、不思議を感じるので。
はい、紐解いて読み直してみます。今は記憶から抜けております。
>松本武さん
>横溝にネタを言い当てられる前に、その前にも誰かにネタを言い当てられて、ばれるなら止めた!って単純な理由だったり。
これは面白いですね。いっそのこと必殺技の「横溝代筆!」を用いてでも完成してもらえた方が私としてはすっきりすしたのですが・・・
>アイナットさん
>ところで、乱歩が「悪霊」をお気に入り作としているという創元推理文庫の解説は、どの作品のものでしょうか? 上記のような訳ですから、乱歩がこの中絶作をお気に入りに挙げているとの話には、不思議を感じるので。
「人でなしの恋」の巻末の解説のものでした。「悪霊」は「心理試験」「人間椅子」などとともに乱歩の手によって赤丸がつけられていた作品であったということです。
詳しい中身は後日。
>鎮西さん
「人でなしの恋」解説手元にあるので読んでみました。確かに書いてますね。しかも聖典「貼雑年譜」。しかしそれにしても中絶作が赤丸なのか不思議ですが。このリスト作成の戦時中でも、乱歩は「悪霊」の構想を持ち続け、続きを書こうと決意していた証拠でしょうか。
関係ないですが、スレッド作成者の松村武さんと、レスを書き込んでらっしゃる松本なる人物とは絶対に別人ですので、一応注意しておきます(上のレスで混同していますので)。
>関係ないですが、スレッド作成者の松村武さんと、レスを書き込んでらっしゃる松本なる人物とは絶対に別人ですので、一応注意しておきます(上のレスで混同していますので)。
おお!これは松村武さん、松本さん、大変失礼いたしました。
アイナットさん、ご指摘ありがとうございました。
すみません、スミルノ博士の日記は読むことは可能でしょうか?
「人間豹」は途中はドキドキするし、文代さんがいたぶられる場面も昂奮しますが、あそこまで引っ張っておいてあの終わり方はどうなんでしょうか?
もうちょっとはっきりした結末(人間豹がいかなる過程で創造されたのかとか)を期待していた自分は肩透かしをくらった気持ちです。
客観的に観てその通りだと思います。一般的な評価もそのようです。しかしその粗さ故に、乱歩マニアとしては遊び甲斐が種々あるのだと思います。HNに使う方がいるのもそのためでしょうし。最近では私はあの後、恩田はネバーランドへ行ってピーターパンになり、文代さんはウェンディで・・・なんて妄想しております・・・。どうもご無礼を致しました。
ザックモレロさん書き込みありがとうございます。人間豹については、私もその生誕に疑問を感じたものですが、想像するだに生々しいですね(笑)それにしても、人間豹といい、「恐怖王」のゴリラ男と言い、捕縛も死の確認もされなかった正体不明の謎の半獸半人たちは夜の夢に溶け込んで消えてしまったとでも言うのでしょうかね?
小笠原さん、アイナットさん、レスどうもありがとうございます。
やはり、明智ファンとしてみれば、完全解決してないってのが腑に落ちないところでありまして、文代をあんな目に遭わせたのだから明智には最後まで食らいついていって欲しかったです。豹人間生誕の秘密は分からずじまいでもいいから、名射撃手の腕前で、あのアドバルーンを撃ち抜いてほしかったです。
「肩透かし」って乱歩作品にはけっこうありますよね。
例えば「暗黒星」の密室トリックなど、あれが作品の中のトリックとしては肝の部分だったのに、「秘密の抜け道があった」なんて・・・・
しかし、黄金仮面が空に逃げるのはやむなしとしても、人間豹が空へと逃げて行方がわからないとは、明智もいつまでも寝覚めが悪いでしょう(本人もラストでそう語っていますが)。
あれしか終わりようがなかったと思います。本作を元祖仮面ライダーとして評価する意見もありますが、私は人間豹は「怪獣墓場(ウルトラマン)」のシーボーズのルーツとも考えています。結局私たち人間社会は異形のものを受け入れないものなのです。だから恩田は空へ去り、その生死も正体も不明となるしかなかったのですし、私はこれでいいと思います。でも明智だからこそ、人間豹の正体や犯行動機を解いてもらいたかったとの思いもあります(伏線ははっているようですが)。
乱歩のことが、語れる場があって嬉しいです。友達に、乱歩ずきは少ないので・・・ところで、空気男とペテン師面白いと思うのですが、人気はいまいちみたいですね。私は、ベスト3に入れたいのですが・・耽美的でも猟奇的でもないからでしょうか?どなたかお答えを・・!
途中でオチが分かってしまうから。
乱歩語りさん、初めまして。「ぺてん師と空気男」ファンだそうですが、別にそれは人それぞれの好みですから、全く気にする問題ではないかと思います。特に乱歩作品は多彩に揃っていますからね。まぁ、初読では解らない点などがあるかもしれないので、とりあえず全作品を二度以上読んでみるのはお奨めしますが。
おっと、そうそう「ぺてん師と空気男」ファンならば、これの元になった中絶作「空気男」もご覧になられる事をお奨めしておきましょう。
>・さん
文字化けでしょうか? お名前が・にしか見えません。
はじめまして。ここ1年で乱歩にはまった初心者です。
本はかなり読んだので、今度は映像で乱歩の世界を見てみたい!と思いレンタルVIDEO屋にいってみたのですが、
なんでパッケージがあんなにエロイのでしょうか?
まあ、よく乱歩を語るのに「エロスの世界」などと言われているのは知っていますが、本を読で私が感じたエロスとは程遠いものなので借りるのに躊躇してしまいました。
VIDEOのほうはかなりエロイかんじになっているのですか?誰か教えてください!!
KDさん、初めまして。
分からないなら、借りて観るに限ります。とは、まぁ、そうですが、確かに私も高校生の時は借りるのに躊躇ってはいましたね(笑)。なにせ18禁やらのものもありましたし。その時断念したのは「屋根裏の散歩者」だったように記憶していますが。
映像で無難に観たいのなら、TVドラマ系のものにすれば良いですし、18禁指定無しなら大丈夫でしょう。まぁ、TVドラマ系でも妙に風呂などで裸体は登場しますが(笑)
レスありがとうございます。
しかし、その前に友達がきて、みたいならみれば。
といわれ一緒に借りて見ました。
想像以上にすごかったです。しかもこんなだったら一人でみたほうがよかった、って感じでした。
やっぱり活字のほうが良いと思う私でした。
昭和初期のエロスと、現代のエロスとのギャップはこんなにすごいものなんですね。
ちょっとがっかりです。
夢みすぎですかね?
乱歩のビデオと言えば演出ばかりが前面に出すぎて鼻につくものが多いと思います。
できれば、「羊たちの沈黙」のように原作に忠実に、さらにテンポよく映像化するとか、演出を入れるとしても「長いお別れ」程度のちょっと気の利いたものにとどめてくれれば、と感じます。
演出をかなりほどこさないと乱歩の小説は映像化に堪えない、ということはないと思うのですが・・・
>演出をかなりほどこさないと乱歩の小説は映像化に堪えない、ということはないと思うのですが・・・
鎮西様!こんにちは、私もそう思いました。
映画の演出などできませんが、私ならこんな風にしないよ!
と思いましたね。
5月の黒蜥蜴期待することにします。
>KDさん
逆に乱歩作品は映画にしやすいと思うのです。
ミステリー映画にしやすい作品の条件としては、「短編である」「純粋な謎解きではない」などがあるそうです(故に長編の作品の映画化による評価は、いかにうまく省略するかにかかっているようです。「悪魔のような女」「羊たちの沈黙」などはそれがうまくいった好例であると思います)。
その点では乱歩作品は条件を満たしていると思うのですが。
土曜ワイド劇場のシリーズで荒井注扮する浪越警部に敬意を寄せる「浪越警部の部下」です。僕も乱歩の映像化と聞けば興味は持ちますが、実はあまり見ていないことに気づきました。特に古いのはKDさんのおっしゃるとおり「エロい」だけのファンからすれば噴飯ものの作品が多いです。しかしそんな中でも「RAMPO」は意見が分かれるかもしれませんが、良心的な作品でした。「RAMPO」を映画館で見たとき、初めて乱歩世界を真正面から取り上げた作品だと思いました。そして「RAMPO」以降の作品は「双生児」にしろ「人でなしの恋」にしろ、まあかつてのようなポルノまがいではなくなってきました。
しかし一方で、かつて乱歩作品でポルノまがいの映画の素材として使われたとは、その時期においては乱歩の作品は古典ではなく充分に大人が感じる作品だった、乱歩がいかがわしい物としての力を持っていたということではなかったか、と最近は考えるようになりました。性的モラルの厳しい戦前に書かれた作品が戦後2・30年の間、大人のポルノとして君臨できたこともまた、乱歩作品の持つ力ではなかったでしょうか。
僕の観た乱歩作品の映画でまずまあいいのは、奥山版「RAMPO」、深作欣二監督「黒蜥蜴」でしょうか。「黒蜥蜴」は三輪明弘主演、三島由紀夫のナイスバディという貴重なおまけつきです。
土曜ワイド劇場の乱歩シリーズはDVDのみでレンタルはしていません。かなり無茶なところもあり、ある程度それを我慢して見ないといけませんが、「大時計の美女・江戸川乱歩の幽霊塔」の大時計の歯車が回るシーンは機械のグロテスク(猟奇)なところをよく映していると思います。
乱歩ファンのみなさんにお叱りを受けそうですが、「押絵と旅する男」の面白さがどうしても理解できません。
もちろん、退屈な読み物ではありません。しかし、数ある乱歩の作品の中でも常に上位にくるほどのものとは思われません。
いったいどのような点が素晴らしいのでしょうか。
率直に言って、「退屈ではない」とお思いなら、それで充分ではないですか。貴方に無理に理解してもらう必要のある人もいないでしょう。
はじめましてです。
私にとって「押絵と旅する男」はとっても好きな作品です。
でも、人にはそれぞれ好みってものがあるので、別にみんながいいといってるからいいと思わなくてもいいのではないでしょうか?ちなみに、私はあのありえない設定が2人のなかで、成立しているところが好きですし、あのありえない設定が、自分の想像の中でとても綺麗な景色となってえがかれるから好きです。こんな私の意見も「いや!違う」という人もいると思うので、やっぱりひとそれぞれじゃないっすかね。
すみません。自己レスです。ハイファイJPです。昔ここで使っていた「鎮西」に名前を改めました。
>貴方に無理に理解してもらう必要のある人もいないでしょう。
う〜ん、でも理解したいんですよね。乱歩の作品って「そういう見方があったのか!」という感じで面白さを再認識することも多いと思います。
「押し絵・・」が常に人気投票でも上位にきているような作品なければ私も「ひとそれぞれ」と気にしないのですが、常に上位にくるということは私が気づかない共通項の面白さをみなさん堪能している!と思われて悔しくなってしまいます。
それで、どなたか私に視点を与えてくださる方がいらっしゃれば・・と思って久しぶりに書き込んでみたのですが・・・
>ちなみに、私はあのありえない設定が2人のなかで、成立しているところが好きですし、あのありえない設定が、自分の想像の中でとても綺麗な景色となってえがかれるから好きです。
なるほど。考えてみると第三者のいない二人の状態って怖いですよね。自分が正しいのか相手が正しいのかわからない錯覚に陥ってしまう。
こんなときって、とまどいを見せた側はひたすら自我の強い側の自己完結の世界の一部と化してしまうのですかね。
「煤煙事件」を思い起こさせるような・・・
でも、このような「実験」を試みることは面白そうですね。
もう一度読み直してみようと思います。
鎮西さん、お久しぶりです。再度のご訪問ありがとうございます。
まぁ、この作品に関しては、特にストーリーに魂がぐいっと引きこまれない限り、退屈になるとは思うのですが、退屈ではないと言う事は、とりあえず楽しめているのではないでしょうか? まぁ、くり返し読む事で味わいが増す作品でもあるので、あまり深く考えずに再読をご堪能下さい。やはりどうしても理解したいなら再読をお奨めするしかないですね。
「押絵と旅する男」の素晴らしさはその詩的な世界にあります。
乱歩を推理作家としてだけ捉えるのではなく、
その文学性についてもっと語られるべきだと思っています。
そのことに関する私のエッセイもごらん下さい。
またもや、現在人には答えようがないだろうモダーンな質問ですが、「D坂の殺人事件」は乱歩戦前作品名に出て来る唯一のアルファベットです。
戦前社会の広告などで、横文字が踊りに踊っていたのはとりあえず存じているのですが、この「D坂」。大正昭和戦前期の読者の内で「はてな? このDってどう読むのか知らん」と思った人はやはり少なからずはいたのでしょうか?
私は初出「新青年」で以前読んだ口ですが、この「D」にルビがあったか否かを忘れてしまったがゆえに今頃に疑問に思ってしまった次第であったりするのですが(汗)。まぁ、その後の単行本にはルビは有り得ないと考えると、「はてな?」は当時の読者の「はてな? 」はありうる訳ですし、何よりもルビが付いても「D(ディ)」とはなんぞやかも知れませんし。この辺りも謎ですね。
しかも二つ下の「ぷろふいる」読み方の謎にも直に繋がる話を思い浮かびました。「D坂」これは「ディ坂」なのでしょうか。「デイ坂」なのでしょうか? 当時としてはの話ですが、もしルビがあったとしたら、「ぷろふいる」疑問の一般的結論に従うと「デイ坂」になってしまいますね。ルビがなければないで、「D坂」の読み方が謎であるには違いありません。
はたして「ディ坂」か「デイ坂」か!? あくまで大正昭和戦前期の一般読者間での話です。
英語知る乱歩が例え「ディ坂」と読んでいたとしても、横溝が本名「マサシ」でなく、「セイシ」で定着したように、呼び方は多数説が有力になるものですからね。と言う疑問でした。
何かご意見あらば、宜しくお願いします。
もうひとつ、「デー坂」もありそうな気がします。明治時代の論文中にたまたま、日本風の英語表現の例文のなかに「今日」を「ツーデー」つまりTODAYのことをこのように表記しているくだりを見つけました。そこで思い出しましたが今でもDAYを「デー」と表現している事を。そしてまたまたうちの親父ですが、昭和十年代には中学英語の授業で既にDの発音は「ディー」だと教えられたと語る親父の発音は、なまって殆ど「デー」に聞こえるのです。
参考になりませんでしたな。親父が、金田一春彦が新書で書いているものを読めば何か分かるかもれないと言っていたので今度探してみます。
これは小笠原功雄さん、どなたも反応してくれない中、またもやのレスありがとうございます。なるほど、「デー」ですか、確かに昔風には有り得そうな話ですね。
しかし考えてみれば、英語以外の、もとい標準英語以外の、余所の国語の「D」ならば、発音が「ディ」でないかも知れず、もしかしたら「デー」や「デイ」でもあながち間違いとはいえないとかあるかも知れませんね。
とにかくも新たなネタあらば、何でもよろしいので宜しくお願いいたします。
江戸川乱歩最高です(笑)夢野久作、渡辺温、海野十三を抜く勢いで面白かったです。・・・でふと素朴な疑問なんですが「白髪鬼」や「パノラマ島奇談」等の表紙がすごくオドロオドロしかったのですが、あの表紙ってどなたが書いてるんでしょうか??(関係なくてスイマセン・・・。)
KIYUKATAさん、書き込みありがとうございます。
で、「白髪鬼」や「パノラマ島奇談」等の表紙云々の疑問の点ですが、どの本の表紙かわからなければ、例え知っている方がいたとしても、お答えするのは難しいかと思いますので、一応。
蛇足ながら、半角カタカナで書き込むのは文字化けの大きな原因となりますので、以後お気を付け下さい。
戦前戦後に「ぷろふいる」という探偵雑誌がありますが、これの読み方を疑問に思った事があります。
当たり前なら字面通り、「ぷ・ろ・ふ・い・る」と発音しそうですが、実際に私も100%このように読んでいますが、戦前の活字では先ず平仮名の「ぃ」のような小文字は見た事がありません。カタカナの「ィ」のような小文字すらも使わない場合が断然多いです。
となると、実は「ぷろふいる」と文語では書くが、読み言葉としては英語の発音に似せた「プロフィル」即ち「ぷ・ろ・ふ・ぃ・る」だったのではないかとと言う疑問が出てきました。
まとめると、探偵雑誌「ぷろふいる」の読み方
1.「ぷ・ろ・ふ・い・る」とハッキリ全文字発音するか?
2.「ぷ・ろ・ふ・ぃ・る」と英語風に「い」の発音は弱いのか?
の、どちらのなのか? という事になります。
誰かこの疑問にお答え出来る方がおりましたら、お返事の程宜しくお願いいたします。
あくまで参考意見を1つ。私の親父が大正十四年生まれの文学博士で、専門は中世、日本神道思想史。近代、音韻は専門外ですが、日本語に対する感覚は私たちよりはずっと鋭いはずですので、光文社文庫『ぷろふいる』傑作選を見せながら意見をきいてみました。英語のよく分かっている人は「ぷ・ろ・ふぃ・る」だったかもしれないが、一般読者は「ぷ・ろ・ふ・い・る」と発音していただろう、との意見でした。
小笠原功雄さん、ありがとうございます。大正十四年生まれの文學博士の言われることならば、一般論としては間違いなさそうですね。当時に英語のよくわかる探偵小説読者層がそうそう多いとも思われませんから、殆どのすべての読者が「ぷ・ろ・ふ・い・る」と発音していたと類推できるようですね。この調子で行けば、講談かラジオか何かで本当の発音を耳にしない限り、横文字は、文字通り読んで良いと思えそうです。しかも耳にすると言っても、ニウヨーク(ニューヨーク)などの有名固有名詞に限りますし、更には紐育と新聞などに出ていたと思いますので、これも文字通り「ひもいく」と読んでいたかも知れませんね。
ともかく素朴な疑問に対する情報提供、ありがとうございました。大変参考になりました。
書き込みテストです。
真実究明掲示板+感想掲示板としてご利用下さい。
ネタバレはタイトルに、ネタバレする作品名を明記さえすれば、OKです。