名探偵なんか怖くない

著者:西村京太郎

講談社文庫

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簡単に紹介文

明智の他にエラリー・クイーン、エルキュール・ポワロ、メグレ警部などが勢揃い。皆さん昭和40年代の年代で年をとっているが、そこがまた面白い点なのだ。三億円事件の再現を試みて、モルモットに指定した青年が同じ状況下でどのような行動を取るかを推理させて、本当の3億円事件の犯人の行動パターンを絞っていくという事から、驚きの展開で、単なるパロディだけで終わらせず、付加して、美事な本格的謎と解答を創出している佳作と言えよう。

なお、江戸川乱歩「化人幻戯」、クイーン「ニッポン樫鳥の謎」など国名シリーズ、クリスティ「オリエント急行の殺人」「アクロイド殺し」、シムノン「男の首」等ネタバレが多いのも事実であるので、登場探偵の代表作が未読の場合は、本作品はまだ読まない方が賢明かも知れない。