白頭の巨人

耽綺社同人=土師清二、長谷川伸、国枝史郎、小酒井不木、江戸川乱歩、平山蘆江の合作


感想
春陽文庫の耽綺社同人シリーズ(全三冊)の三冊目。〔2001年現在絶版中。〕
はっきり言って大した探偵小説ではない、というよりその酷さは目を覆いたくなる程だ。展開的にこれといった山場という山場もなく、全くもって平坦な話しである。乱歩的なところも皆無であった。そういうわけで乱歩愛好家や探偵小説愛好家には興味深い対象とは言えるが、あくまでもその興味深い対象として興味であり、探偵小説として期待しては駄目である。むろん普通の人にはお勧めは出来ないのは言うまでもないし、むしろ決して薦めてはいけない。


目次
雪岡博士の怪死/重なる事件/訝しい雁金博士/深夜の訪客/追われる雁金博士/廃船紫影丸の怪事/意外を報じる二人の客/抜け道・古榎・疑問の手紙/疑いを増す中折帽の持主/解かれゆく暗号文字/奇怪な責め道具/排気筒に起こる数々の椿事/明石家に集まる人々/語り合う四つの心/章夫を運び去る運転手/雁金博士の逮捕/誤まれた毒杯/明石の手紙/その最期