彼・幻影の城(東都書房)

昭和三十八年十月

収録エッセイ

『幻影の城』(『夜と昼の顔をもつ少年』『夢みる小学生の恋物語』『『幽霊塔』のとりこ』『書斎で自分の文章を印刷』『最初は政治家志望』『『密室殺人』で創作』『あらゆる職業を転々』『処女作『二銭銅貨』で活路』『すぐれた編集者を得て』『『二廃人』で自信』『『明智小五郎』登場』『『職業作家』へ決意』『同人雑誌を発刊』『追いつけぬ着想』『『探偵寸劇』大あたり』『初めて新聞小説』『筆を折り放浪の旅』『六人で作家組合』『『陰獣』に凄い反響』『意外『蜘蛛男』の好評』『虚名全国に広がる』『また二年間休筆』『妖気迫る書斎』『少年ものへも進出』『旧作の絶版相つぐ』『収入なく栄養失調』『『幻の女』に感動』『慰霊祭に文士劇』『『新青年』休刊になる』『盛大、還暦祝いを受く』『先祖、伊東の郷土』『有能な新人続々』『第四隆盛期に満足』)

『彼』


(注釈)
申し訳ないが、表は省略させていただいた。
なお、『幻影の城』は『産経新聞』に昭和三十八年五月十五日〜六月二十二日まで連載されたもの。この本の【はしがき】によると、既に手足の不自由のため、字を書くことができなかった乱歩に代わり、『産経新聞』の岩崎武夫が『わが夢と真実』『探偵小説四十年』などから面白そうな部分を抜き出して書いたもので、それを乱歩が間違いなどを修正したものとのことだ。

『彼』は、乱歩の随筆集では『幻影の城主』にのみに載った幼児期の詳細な未刊自伝である。