徳間書店

*** 書籍表題 出版社 筆者 訳者など 一言感想or備考 お勧め度
076 サムソンの犯罪 徳間文庫 鮎川哲也 三番館シリーズの短篇集。「中国屏風」「割れた電球」「菊香る」「屍衣を着たドンホァン」「走れ俊平」「分身」「サムソンの犯罪」を収録。 ☆☆☆☆+
058 太鼓叩きはなぜ笑う 徳間文庫 鮎川哲也 三番館シリーズの短篇集。「春の驟雨」「新ファントム・レディ」「白い手黒い手」「太鼓叩きはなぜ笑う」。誰もが出会い可能性のある冤罪を絡めてついには殺人容疑者にされてしまった危機を救えの「春の驟雨」など三番館のバーテンの名推理と主人公の駄目探偵の対比も楽しめる短篇集。 ☆☆☆☆+
023 日本ミステリーベスト集成4(海洋篇) 徳間文庫 鮎川哲也など 中島河太郎編 海洋に関するミステリーアンソロジー。収録作品は、陳舜臣「港がらす」、戸川昌子「うたかたの航跡」、山田風太郎「戦艦陸奥」、西村京太郎「オートレック号の秘密」、蒼井雄「黒潮殺人事件」、高橋泰邦「天国は近きにあり」、香住春吾「カロリン海盆」、赤松光夫「H工作船」、梶山季之「海の殺戮」、鮎川哲也「貨客線殺人事件」。特に面白かったのは、再読の風太郎、蒼井を除くと、香住、鮎川、西村、高橋って所だろう。 ☆☆☆☆
018 人喰い 徳間文庫 笹沢左保 心中と思われる状況ながら、死体が一つだけ。ここから進展する事件は!? ただ犯人当ての本格としては大したこともない。 ☆☆☆+
005 歴史街道殺人事件 徳間文庫 芦辺 拓 恐るべし最終的な真相、想像範外なほど寒気がするトリックには驚かずにはいられない。森江春策探偵の新本格推理。 ☆☆☆☆+
023 殺人列車は走る 徳間文庫 夢野久作など 鮎川哲也編 夢野久作「木魂」、蒼井雄「執念」、渡辺啓助「桃色の貪欲」、鮎川哲也「碑文谷事件」、安永一郎「復讐墓参」、中町信「偽りの群像」、おかだえみこ「映画狂の詩」を収録。特に秀逸に感じたのは少年が国鉄職員を10円をくれなかったから刺したという「復讐墓参」復讐の謎が大きくは社会派的動機とも言える。「碑文谷事件」「偽りの群像」は美事な本格。 ☆☆☆☆+
022 シグナルは消えた 徳間文庫 本田緒生など 鮎川哲也編 トラベルミステリーシリーズ1。著者代表作たる本田緒生「蒔かれし種」、奇妙な味の葛山二郎「股から覗く」、意外意外な本格、海野十三「省線電車の射撃手」、恐るべき論理の大阪圭吉「狂った機関車」、あのトリックがここに出てたとはの、夏樹静子「山陽新幹線殺人事件」、恋愛心の両極端、皮肉的な面白さの山田風太郎「吹雪心中」。しかし島田荘司の「殺人ダイヤル」これは評価下げざるを得ないぞ。とにかく ☆☆☆☆+
019 犯罪交叉点 徳間文庫 江戸川乱歩など 鮎川哲也編 トラベルミステリーシリーズの2で、中町信「急行しろやま」、麗昌平「歪んだ直線」、二条節夫「殺意の証言」、甲賀三郎「急行十三時間」、江戸川乱歩「鬼」、永瀬三吾「轢死経験者」を収録。錯誤の本格トリックの「急行しろやま」は見事だし、この中では何より「殺意の証言」が絶讃的出来で、二重構造+その本格ぶり凄い。なお、「急行十三時間」「鬼」については、それぞれの世界を参照。 ☆☆☆☆+
015 レールは囁く 徳間文庫 利根安理など 鮎川哲也 編 秀作揃いのアンソロジー。幻想で圧倒的な利根安理「月の光」、読ませる文体怪奇迫羊太郎「昇華した男」、トリックとスパイ心理の幾瀬勝彬「孤独な詭計」、幻想SFで痛快味野呂邦暢「まさゆめ」、圧倒的本格トリックと効果的な文章の葛山二郎「杭を打つ音」、どんでん返しの香山滋「観光列車V12号」、ミス研のメンバーの凄まじさと江戸川阿乱歩の息子の白井竜太郎、アラリー・クイーンが面白い下条謙二「信濃平発13時42分」収録。 ☆☆☆☆☆
013 殺意の終着点 徳間文庫 鮎川哲也など 鮎川哲也 編 全ての作品がコンスタントに楽しめるアンソロジー。その収録作はプロバビリティの陥穽の浜尾四郎「途上の犯人」、佐野洋「一等車の女」、鮎川哲也「汚点」、日影丈吉「大きな鳥のいる汽車」、耕原俊介「急行列車」、山村直樹「移動密室」、長谷川卓也「阪和電車南田辺駅」。プロバビリティの陥穽の「途上の犯人」と舞台の京都も登場して面白い完全犯罪「移動密室」あたりが特に面白かったか。 ☆☆☆☆+
氷の淑女(下) 徳間書店 シドニィ・シェルダン 木下望 ☆☆☆☆
氷の淑女(上)