沖積舎

*** 書籍表題 出版社 筆者 訳者など 一言感想or備考 お勧め度
02a 探偵小説四十年(新装復刻) 沖積舎 江戸川乱歩 一気通読したのは初めてだった。リストは評論集にある。改めて貴重な興味深い話なのだ。 ☆☆☆☆☆+
01a 梶井基次郎小説全集 沖積舎 梶井基次郎 「檸檬」「城のある町にて」「泥濘」「路上」「橡の花――或る私信――」「過古」「雪後」「ある心の風景」「Kの昇天――或はKの溺死――」「冬の日」「蒼穹」「筧の話」「器樂的幻覺」「冬の蠅」「ある崖上の感情」「櫻の樹の下には」「愛撫」「闇の繪巻」「交尾」「のんきな患者」「瀬山の話」を収録。圧倒的秀逸だったのが月光と影の昇天で幻想小説の「Kの昇天」。まさにこれ一つであった。他に取り敢えず面白いと云えたのが、「泥濘」「路上」「冬の蠅」「櫻の樹の下には」「愛撫」であった。いずれも不思議な気分にさせられる。
なお、全て旧字体である。
☆☆☆☆+
01a 完全犯罪(小栗虫太郎全作品2) 沖積舎 小栗虫太郎 処女作「完全犯罪」、未刊長篇で全て半端な「寿命帳」、恐るべき圧巻心理動「白蟻」、展開随分面白い「魔童子」、祕密結社物で中途までは面白いが、ラストはいやはやの「青い鷺」、小栗の戦争観をマジマジと見る興味「海峡天地会」を収録。やはり「海峡天地会」が総合的には最も面白いと思う。 ☆☆☆☆☆−
019 紅殻駱駝の秘密(小栗虫太郎全作品1) 沖積舎 小栗虫太郎 二大長篇『紅殻駱駝の秘密』と『女人果』を収録。両者ともさすがは小栗という作品である。「紅殻駱駝」はその神出鬼没の怪異の紅殻駱駝を追い求める作品だが、発表は昭和11年ながら、これが本当に大正14年に書かれたものそのままだとすると驚異以外の何物でもない面白さだ。「女人果」は昭和17年発表作品だけあり、日中戦争の色が濃いが、話時代は雄大な面白さがある。直接舞台は汽船上と上海である。ただ、中盤辺りまで引っ張っていた伸子の手記の割には、その影響力が特に終盤だが、作品全体には及んでいないようだ。ラストもハラハラする展開ながら、ラスト付近を全体的に見ると、急ピッチでサッパリしすぎている感じがある。あと、「女人果」というタイトルは、見事に感じをつかんでおり言い得て妙である、と言える。メインテーマなのだ。 ☆☆☆☆☆
016 犯罪・探偵・人生 沖積社 甲賀三郎 甲賀三郎の随筆集。なかなか興味深いものも多く、何より甲賀の文章は面白い。詳しくは甲賀三郎の世界に譲るとしよう。ちなみに旧字体、ルビ無しだが、この状態を余裕で読める所が、自分の旧字、旧かなに慣れたことを認識せしめる。 ☆☆☆☆☆+
011 江戸川乱歩ワンダーランド 沖積社 中島河太郎責任編集 関連書籍参照 ☆☆☆☆☆