江戸川乱歩ー評論と研究

著者：中島河太郎

講談社刊、昭和五十五年六月十六日第一刷発行

私（管理者）の一言
端的に言えば乱歩に関する評論の類を集めた本である。発表当時の乱歩の評価に付いてもよくわかるし、現在では耳を疑うような、例えば「悪夢」（「芋虫」）は最低だ！とかの評論も目にすることが出来る。

目次
「二銭銅貨」を読む○小酒井不木
「新青年」大正十二年四月

日本の近代的探偵小説ー特に江戸川乱歩氏について○平林初之輔
「新青年」大正十四年四月

「心理試験」序○小酒井不木
「春陽堂」大正十四年七月

江戸川乱歩氏に繞りて○石上是介
「新青年」大正十五年四月

江戸川乱歩論○橋爪健
「新小説」大正十五年四月

「陰獣」その他○平林初之輔
「新青年」昭和三年十一月

江戸川乱歩氏に対する私の感想○夢野久作
「猟奇」昭和四年一月

江戸川乱歩論○龍登雲
「猟奇」昭和六年三月

「陰獣」吟味○井上良夫
「ぷろふいる」昭和九年八月

江戸川乱歩論○木々高太郎
「探偵文学」昭和十年五月

江戸川乱歩論○中島親
「探偵文学」昭和十年五月

乱歩文学の鳥瞰○中島河太郎
「別冊宝石」昭和二十九年十一月

江戸川乱歩論○荒正人
「別冊宝石」昭和二十九年十一月

江戸川乱歩論○松本清張
「日本推理小説大系第二巻」昭和三十五年四月

江戸川乱歩論ー江戸川乱歩の周囲○中島河太郎
「宝石」昭和三十七年一月

「二重面相」江戸川乱歩○横溝正史
「オール読物」昭和四十年十月

江戸川乱歩と耽美主義文学ー二つの戦後の乱歩ー○日影丈吉
「大衆文学研究」昭和四十年十二月

巨人の輪郭○小松左京
「江戸川乱歩全集第七巻」昭和四十四年十月

乱歩文学の一側面○野坂昭如
「江戸川乱歩全集第八巻」昭和四十四年十一月

幼児性の噴出と童話性○なだいなだ
「江戸川乱歩全集第九巻」昭和四十四年十二月

乱歩文学の全体像○尾崎秀樹
「江戸川乱歩全集十一巻」昭和四十五年二月

江戸川乱歩について○荒正人
「江戸川乱歩全集第五巻」昭和四十四年八月

乱歩文学の本質　玩具愛好とユートピア○澁澤龍彦
「江戸川乱歩全集第二巻」昭和四十四年五月

閉じこめられた夢ー江戸川乱歩論○権田萬治
「宿命の美学」昭和四十八年四月

人でなしの世界ー乱歩の怪奇小説○紀田順一郎
「幻想と怪奇」昭和四十八年

華麗なユートピアー乱歩の長編小説○大内茂男
「幻影城」昭和五十年七月

怪奇ロマンの遍歴と脱却ー乱歩と正史○中島河太郎
「幻影城」昭和五十年七月

孤独すぎる怪人○中井英夫
「日本児童文学大系第二十九巻」昭和五十二年十一月

江戸川乱歩研究文献目録○中島河太郎
「大衆文学研究」昭和四十年十二月

解説○中島河太郎