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(旧)真実究明掲示板の過去ログ2


えり
さんの疑問
明智君と、犯人と思しき男性が『カレーライス』か『ライスカレー』かで議論する場面があったのですが、どの作品か知っている方がいらしたら教えてください

・あれ?同じ質問が、ここより6つ程下にありますね?そちらでも「確認できず」と答えておりますが。今、巷ではこの話題が流行っているのでしょうか?[松村武]
・よく見ていらっしゃいますね。流行りかどうかは私には分かりませんが。ええ[ほろ酔い加減]
・う〜ん・・・、それは国鉄駅のステーションレストランがあるところでの話だったような〜。おぉ、でも思い出せない〜[ゼンマイ]


ゆうこ
さんの疑問
「一枚の切符」の最後のところで、“PL商会の切符”を“石の下”からではなく“石のそば”からひろったとしたらどうだ、と“ニヤリ”と笑ってますよね。石のそばからだったとしたらどうなるのでしょうか?

・事件直前に現場を通過した列車から捨てられた切符が、石の下から発見されたということは、その石は切符が落ちた後に、何者かによって運ばれて来て、切符の上に捨てられた、というのが探偵役・左右田の推理の出発点でしたよね?そこから、被害者(=真犯人)の体重偽装のトリックを見破った訳です。ところが、切符が石のそばにあっただけなら、その石が何時、捨てられたものか分からなくなってしまい、事件とは無関係になってしまいます。すると左右田の推理は根底から覆り、やっぱり博士が犯人だった、という推理も成り立つ訳です。だから左右田は「僕が博士を尊敬する余り、証拠をデッチ上げて夫人に罪をなすりつけたとは考えられないかね?」と思って、ニヤリと笑ったのでしょう。それにしても、相手役の松村君は、「二銭銅貨」で苦労した挙げ句にニセ札を掴まされて一杯喰わされたり、「一枚の切符」では左右田の推理に振り回されたり、散々な目に遭ってますね(そりゃ、俺のことか)。[松村武]
・私もこの作品はよく分かりませんでした。このページは勉強になりますね。ええ[ほろ酔い加減]


エツコ
さんの疑問
乱歩が気に入っていた作品は、『押し絵と旅する男』らしいんですけど、一般的に特別評価が高いのはどの作品なんですか?

・「押し絵〜」って言うと、放浪中に自信喪失のため、何も書いてないとか表向きには言いながら、実は書いていて、横溝編集長に見せなかったし、必然渡さなかった作品ですよね。(おかげで横溝の代作でその場を凌いでたと思うが)気に入ってたということは後年の話でしょうか[あいなっと]
・一般的評価も「押し絵〜」は高いですよ[あいなっと]
・一般的評価かあ。通常、誰もが思い浮かべるのは、「二銭銅貨」「心理試験」「パノラマ島奇談」「押絵と旅する男」「孤島の鬼」辺りですか?乱歩本人の自選ベストスリーは「心理試験」「陰獣」「押絵と旅する男」だったと思います(記憶違いかも)。一番傑作なのは、僕が高校時代に使っていた現代国語の副読本の日本文学史資料集(確か大修館書店刊)で、並み居る文豪と一緒に江戸川乱歩の記事が二、三行記載されていて、「おお、凄い!!」と思いきや、そこには「(中略)代表作は「虫」「石榴」等」となってました。これは、「虫」の掲載誌が「改造」、「石榴」は「中央公論」だったからか!?戦前の高級総合誌の「改造」、文芸春秋に並ぶ文芸誌の「中公」に掲載されたからって、代表作にされちゃなあ。[松村武]
・評価が高いとなるとやっぱり連想するのは「心理試験」かも。乱歩が気に入ってた作品は検討つかず。ただ、私が作品を読んでいないだけということもありえますが(笑)。評価っていっても、人それぞれ違いますからね。ある人は「心理試験がいい」と言い、ある人は「一寸法師」がいい、といった感じに。何か話が横道にそれました。失礼。[ヒカル]
・実はわたくし、『押し絵〜』を乱歩の代表作と聞いて読んだのですが、あまり感銘を受けなかったのです(怒られるかもしれませんが)。乱歩自身は自らの代表作として取り上げていますが、はじめはそれほどのものでもなかったらしく、周囲の評判が良かったのを受けて、後に代表作として取り上げているようです。しかしこれは、「押し絵」というものをあまり目にすることのないわたしたちには本当のよさがわからないのかもしれません。逆に「押し絵」お幼い頃から見つづけている人にとってはとても共感できる作品なのかもしれないですね。[YOSUMURA]
・すみません。上の文章誤字だらけですね。蛇足ですがある本によると、長編では『孤島の鬼』、中編では『陰獣』、短編では『二銭銅貨』が代表作ではというのを呼んだ記憶が。[YOSIMURA]
・やはり映像化されるものは、ある程度の評価はされているのではないでしょうか? ただ、映像化されたものに対しての評価は低いようですが。ええ[ほろ酔い加減]


YOSIMURA
さんの疑問
『悪霊』についてですが、同時期に連載されていた他の作品は書き続けられたというのに、なぜ『悪霊』だけは中絶されたのでしょうか。創元推理文庫の解説を読むと、『悪霊』は『心理試験』、『虫』などとともに乱歩が気に入っていた作品の一つだと考えられるとのことなのですが。

・『悪霊』の中絶の事情は諸説あるようですが、乱歩は自作解説の中で、『書く気力がおきなかった』と述懐しています。当時『蜘蛛男』に代表されるような通俗長編作品を執筆することで、作家としての面目を保っていた乱歩にとっては、ホームグラウンドである雑誌『新青年』で、短編にみられるような本格的な作品への回帰の機会を得て、なみなみならぬ気迫を抱いていただろうことと思われます。だが乱歩は長編で本格を練る作家としては、生涯を通じても芳しい成果をあげてはいません。実際、通俗長編作品にも、多くの構成破綻がよく見られ、どうにかつじつまを合わせただけの拙劣な作品が目立ち、厳しく言えば長編はおもしろさはともかく、うまいとはいえません。乱歩は推理小説の真価を発揮できるのは長編よりもむしろ短編なのだと考えていたそうです。乱歩は生来の短編作家としての才能に恵まれていましたが、残念ながら、その作家的精力は長編の綿密なプロットを必要とする作品には向かなかったのでしょう。そこに『悪霊』中絶の理由の一つがあると思われます。乱歩は『本格推理』というものに対する理想が高かったそうです。それは、長編『一寸法師』への嫌悪とその絶望からくる放浪旅のエピソードからもうかがえます。『悪霊』連載当時、通俗小説作家として慣れはじめていた乱歩にとっては、長らく離れていた本格作品への強い想いはあったでしょうが、その潔癖性が仇になって乱歩のプレッシャーを強め、自滅する羽目になったのではないでしょうか。肩に力をいれすぎて、まったく構成を思い付けなかったのだと思います。[E・キング]
・E・キングさんの御回答に何も付け加えるものは有りませんが、当時「新青年」には、木々高太郎、小栗虫太郎などの有望新人が続出していて(恐らく当時としては、彼らは清新な「ニューウェーブ」として捉えられたのでは)、その意味でも、乱歩も相当のプレッシャーがあったのでは?私事ですが、昔、角川文庫の「十字路」所収の本作品を読んだ時、その時は中絶作と知らず、「こんな凄い作品があったのか!?」と熱狂して読み進め、最後に中絶を知った時のショックは、当時の「新青年」読者の落胆を想像させるに十分なものでした。だって、降霊会の異様な雰囲気、謎の矢絣の女と障害者(原作には凄い言葉で書かれてますが、現代では此処に書けません)、密室の殺人と、その死体の凄まじい描写等々、「孤島の鬼」以上の迫力でした。当時、乱歩がD・カーの「プレーグ・コート」を読んでいなかったのなら、いよいよ驚異以外の何者でもありません。[松村武]
・ご親切な回答ありがとうございます。書き進めていくうちに自己嫌悪に陥るくせのあった乱歩には、当然どの作品にも「中絶」といった考えは頭に浮かんだことなのでしょうが、それがなぜ『悪霊』だったのかが不思議なのです。同時期に連載が続けられた作品よりもよっぽど『悪霊』のほうがすばらしいと思うのですが。太宰の『グッドバイ』とともに先が読みたい作品です。[YOSIMURA]
・すみません。私はまだ「悪霊」は読んでいないのです。それにしても皆さん長い文章ですね。とても読んでいられませんでした。ちなみに私は「猟奇の果」が好きですね。どこがって、タイトルが。聞いてませんか?そうですか・・・・[ほろ酔い加減]


鎮西
さんの疑問
『堀越捜査一課長殿』は『アクロイド殺し』を下敷きにして書かれたものなのでしょうか。乱歩自身の言葉でそのようなものはありますか?

・乱歩の「自作自註(?)」等では確認出来ませんでした。僕は、カーの短編「ホット・マネー」を下敷きにしたものと思ってましたが。[松村武]
・私自信は違うと思っています。下敷きを知るよりもやはり乱歩の作品でしょう。ええ[ほろ酔い加減]


エルモ
さんの疑問
「一寸法師」のオチで明智が言ったこと「一寸法師にうその告白をさせ・・・」ということは、首を絞めた犯人はやはり三千子だということなんでしょうか?

・8個ほどした似たような疑問がありますね[あいなっと]
・あっ、変な文章、8個ほど下です[あいなっと]
・そうなんでしょうね。でも、私情に惑わされることなく、ただ真実を求めるのみの明智らしくないですね。ちなみに、ポプラ社版では、最後の明智の台詞はなく、悪いのはすべて一寸法師ということになっています。明智もとっても晴れ晴れとしておりました。[鎮西]
・明智も人間ですからね。私はこの作品を読んで、ようやく明智が人間であることを気づいたような気がします。ええ[ほろ酔い加減]


take
さんの疑問
先日、ある人から質問されてわからなかった事です。それは、明智小五郎と犯人が「カレーライス」か「ライスカレー」かで論議する場面があるのはどの作品か?というものです。どうぞよろしくお願いします。

・申し訳ないですが、思い浮かびません。識者の方にお任せします[あいなっと]
・うーん。乱歩マニア最大の疑問だ!(爆)大人向けの作品では確認出来ませんでした。ポプラ社の少年探偵シリーズも全巻持ってたけど、10年前に近所の子供を集めて、「好きなの持ってきな」って言ったら、嵐の過ぎ去った後みたいに全部消えちゃって、今は確認出来ないし。でも、記憶では無かったような気がします。テレビか映画(土曜ワイドの天知茂主演、井上梅次監督作品あたりがクサい)で、原作にない脚本に出てきたのでは?[松村武]
・あ、この質問が例の一番上にあるやつと同じというやつですね。このコメントを書いたときは、すでに一番上にあるとは限りませんが。ええ[ほろ酔い加減]


鎮西
さんの疑問
(すいません、下の続きです)最終的な乱歩の「幻の女」に対する評価はどのようなものだったのでしょうか。また、みなさんは「幻の女」を読んで、どのように感じられたでしょうか。

・すいませんが、まだ未読なので、他の方にお任せします。それはそうと、下のミス?の文は消して差し支えないですか?>鎮西さん[あいなっと]
・乱歩の最終的な評価は私も知りません。確かにハヤカワの「訳者あとがき」に、乱歩が初読時に感激したエピソードがありますね。なお、私の評価では、買ってきたその晩のうちに完読した程、面白かったです。ラストシーンに感動しました。私のベスト10では第2位です(1位は「黄色の部屋」)。[松村武]
・おそらく評価は高いままだったと思います。その後言及してないのは、いわば語り尽くしてしまったという感じなのでしょうか。乱歩はカーのときもそうですが、啓蒙と広報のために異様なほど熱を入れる癖がありますが、それがある程度普及するとあとはいいやって感じになるのかもしれません。とにかく『幻の女』が未読なのはもったいない。圧倒的なサスペンスは読まなきゃ損々。ただここで言っておくべきなのは、この作品をはじめブレイクの『野獣死すべし』、レヴィンの『死の接吻』などが既存のクラシックなパズラーにサスペンスや心理的な味付けやひねりを施したのが、ものすごく高く評価されたのですが、いま読むと逆にその部分が古びてしまっている点です。とはいえ、ここに挙げた3作は保証付きの面白さだからぜひ読んでみてください。そしたら、『幻の女』などにミステリの行き詰まり打開の可能性を見た乱歩の心情がうかがえるような気がします。乱歩の異様に高い評価は、おそらくそのせいだと思います。[芦辺 拓]
・たくさんの御返事ありがとうございます。「幻の女」に関してはわたしも一気に読んだのですが、犯人の男性の行動が一人称的に記述されていた部分に後になってすっきりしないものが残った印象があります。現代のミステリーもののアメリカ映画にとても近いものを感じました(最近のものでは「交渉人」など)。芦辺さん紹介の2作品はまだ未読ですのでさっそく読みたいと思っております。(下のミスはお消しください。たびたびスミマセン)[鎮西]
・これはチェックしとかないといけませんね(^^;読むぞ三冊。読めるぞ3冊も(^^)それとこの掲示板、仕様上編集が簡単に出来ないので、すいません、下の文削除しました。[あいなっと]
・「幻の女」?そんなのありましたっけ?という風な次元の世界に私はいます。私にとっては「幻の女」自体が幻に思えてなりません。何を言ってるンでしょうね?私は。ええ[ほろ酔い加減]


松村武
さんの疑問
久世光彦の小説「1934年冬、乱歩」で、張ホテルに宿泊した乱歩が持参した創作メモに記載されている、題名のみの「書かれざる物語」である、「三人道成寺」、「人間蝋燭」、「逃げ水女郎」、「厭人倶楽部」、「侏儒祭」、「消えた葬列」、「庄野笙子」、「過去帳の女」等々、これらは本当に、乱歩の創作メモに記されているのでしょうか?それとも久世光彦の創作でしょうか?

・おそらく創作だと思います。こうして見ると、既存の作のもじりではなく「乱歩らしさ」を出そうとすることの困難さを感じますね。たぶん久世氏は「これまでにない作品を書こうとしている乱歩」を表現するためにこれらのタイトルを創作されたのでしょう。果敢な挑戦だと思います。……って、本当に創作メモにあったら大恥ですな。[芦辺 拓]
・毎度のことながら、芦辺さん、御回答有り難う御座います。それにしても、「逃げ水女郎」とか「侏儒祭」なんて、実際にあったら面白かっただろうなあ。「白昼夢」や「踊る一寸法師」みたいな感じで。[松村武]
・解答に答える以前に久世光彦自身を知りません。申し訳ないです。ええ[ほろ酔い加減]


鎮西
さんの疑問
乱歩の作品では、密室のトリックで、「実は秘密の通路があった」というものが多いように感じます。日本独特の住宅建築事情を踏まえた密室トリックには素晴らしいものがあると思うのですが、それ以外で奇抜な密室トリックを駆使した乱歩作品というものはないでしょうか。

・・・・・・黄金仮面とか[あいなっと]
・長編『孤島の鬼』の前半部の密室殺人のトリックはなかなか奇抜です。[E・キング]
・吸血鬼の密室トリックには、違う意味で驚かされました。地獄風景の迷路の中の密室殺人も似た意味で驚かされました。もちろん二つとも荒唐無稽型の作品です。[うわん]
・学生時代の習作「火縄銃」は密室構成になってませんでしたっけ? 同じ着想で書かれたポーストとルブランの短篇は確かそうでしたよね。あっ、それと、『偉大なる夢』のアレは?[芦辺 拓]
・私も「火縄銃」だと思いますね。ちなみに荒唐無稽は乱歩を読むにあたって覚悟しておくべき事柄に思うのですが、間違っていますかね? ええ[ほろ酔い加減]


yuki
さんの疑問
「鏡地獄」に出てきた、球型で内側が鏡になっているというもの、あれは実際に作ってみて中に入ると、本当に発狂するほど恐ろしい事になってしまうのでしょうか?

・これについては、この掲示板のページをさかのぼると、「たいせー」さんという方の質問とそれに対する回答が出てきますので、とりあえずはそちらを……ですよね、管理人さん?[芦辺 拓]
・おおっ、そうです。そうです。反応鈍い、私に代わっての適切なご指摘どうも。^^ノ;。ここから遡ること23コ前の疑問をご覧ください。ちなみに1ページ15コの疑問が載せられる仕様なので、1ページか2ページ、前に遡ることになります。[あいなっと]
・私は皆様のような詳しいことは言えないのですが、乱歩は随筆選ででも鏡に恐怖のような感情を持っていたようですね。関係ありませんが、私もあれを覗き込むときには戦慄を覚えてしまうのですが、皆様はどうでしょうか? ええ[ほろ酔い加減]


鎮西
さんの疑問
「月と手袋」で最終的な犯罪の解決手段として、容疑者宅を盗聴するという方法は、探偵小説としては反則のような気がするのですがどうなのでしょうか?

・しかし考えてみると、明智小五郎もたいがいな男ですねえ。しかし、それがヒーローとしての痛快さの中に隠されているところが、昨今の単に性格が悪いだけのキャラとも、ただの善玉とも違うところなんでしょう。「月と手袋」の件ですが、こう考えたらどうでしょう。「盗聴」という手段そのものがトリッキーであった時代には、これをミステリの趣向として取り入れることも許されるのだと。ちょっと苦しいか? でもさらにさかのぼれば「指紋」がまさにそうだったわけで……。もっとも、盗聴機を仕掛けて悪党どもの会話をキャッチするという着想自体は大昔のクレイグ・ケネディ探偵もの(アーサー・リーヴ「黒手組」)でもあったから、あまり斬新とも言えませんけどね。[芦辺 拓]
・関係ないことで恐縮なのですが、私はあの作品で犯人が逃げ切ることを願ってしまいました。悲しいお話に感じませんでしたか? あ、私も共犯ですかね? ええ[ほろ酔い加減]


鎮西
さんの疑問
ポプラ社版の少年探偵シリーズが、純粋に乱歩が執筆したものだけでリニューアルされているようですが、以前のポプラ社版では発表順に各巻の番号を並べなかったために話のつながりに矛盾が起き、また原文の言葉を書きかえている部分もあるということを聞いていたのですが、その点は改善されているのでしょうか。

・僕も現物に当たってないのでわかりませんが、その点は初出誌に当たり直し、配列も発表順になったようです。ただ、差別用語などはかなり書き替えられたようです。これはこれで問題なような気が……。[芦辺 拓]
・一度少年探偵シリーズを集めてみたいと思っています。ですが、古本屋だけで探すのはやはり骨が折れますね。関係ないですか? そうですね。失礼しました。ええ[ほろ酔い加減]


鎮西
さんの疑問
ポプラ社版の「一寸法師」を読んで、子供心に思ったことですが、三千子のとった行動は本当に無罪になり得るのでしょうか。また、山野氏の場合は?あれでは死んだ小松が浮かばれないと思うのですが。

・あれもねえ……ああいう温情解決も探偵の役目の一つなのかもしれません。確かに割り切れませんが、拙作『不思議の国のアリバイ』のラストで、探偵役の森江春策が強引にハッピーエンドにまとめてしまうのは、実は『一寸法師』の明智大先輩にならったものだったりします。[芦辺 拓]
・ポプラ社版は知りませんが、私もあのラストには一瞬ちょっと首を傾げてしまいました。それはともかく、『不思議の国のアリバイ』、読んでみたくなりますね。去年の著作リストに見あたりませんが、短編なんでしょうか?どうも最近の出版事情に精通してないもので(^^;[あいなっと]
・今年の9月に青樹社から出したハードカバー長篇です(あっ、乱歩先生のページで自己宣伝なんぞを……)。今度の異形コレクション収録予定作といい、いま書いてる長篇といい、乱歩オマージュに走る小生であります。しょうがないや、好きなんですから。[芦辺 拓]
・わざわざ、すいません。乱歩趣味的本(^^)読みたい本がまた1冊増えてしまいました。ああっ、かなしいかな、読むスピードが全然間に合わない(T_T)[あいなっと]
・無罪になるならない。被害者の浮かばれる、浮かばれないはすべて作者に委ねられる事柄だとおもいませんか? もちろん、今の法律ででは無罪になりえるとは思えませんが。ええ[ほろ酔い加減]


ひろろ
さんの疑問
初めまして。最近、出版社によっては有名な作家の方の出版物をまとめた保存用の本(例えば一冊当たり¥7000位で数十冊)を売り出したりしていますが、江戸川乱歩氏に関しては、そのような本は販売されていますでしょうか?どうしても明智小五郎シリーズを、今度は文庫本でない(しかし、文庫本の挿絵は当時の挿絵画家のものだったのでとても気に入っているのですが...)形でそろえたいのですが...。舌ったらずな説明で恐縮ですが、有力情報を宜しくお願いします。

・おっしゃっているのが具体的にどんな書籍をさすかわかりかねますが、もし愛蔵用の豪華本のことなら、乱歩自身が徹底的に装丁などに凝った限定版を何冊か出していますが、いくつもの作品を網羅したシリーズのようなものはちょっと聞いたことがありません。ただ、私家版とかであるかもしれないので、「名張人外境」の掲示板ででも質問されたらどうでしょうか。また、おっしゃっているのが箱入りハードカバーの全集本のことでしたら、講談社から70年代と80年代に出ています。[芦辺 拓]
・地道に探すほかないでしょう。私もこればっかりは分かりませんね。え、他も知らないじゃないか? そうですね。どうせ無知です。失礼いたしました。ええ[ほろ酔い加減]