*** | 書籍表題 | 出版社 | 筆者 | 訳者など | 一言感想or備考 | お勧め度 |
039 | 殺人狂想曲 | 春陽文庫 | 水谷準 | − | 収録作「殺人狂想曲」「闇に呼ぶ声」「瀕死の白鳥」いずれも強力な意思の存在を感じるかの如くの恐るべき展開力でナンセンスに突入していく面白さがある。 | ☆☆☆☆− |
029 | 金色藻 | 春陽文庫 | 大下宇陀児 | − | 裁判の公判中に銃殺事件が発生! その場に立ち会わせた新聞記者が、その後奇々怪々に拡張していく連続殺人事件に挑むが・・・・・・。果たして金色藻の秘密とはいかなるものだったか!? アッサリした放棄もあるが、謎も多くそれなりには面白いサスペンスと言ってもいいだろう。 | ☆☆☆☆− |
026 | 恐怖城 | 春陽文庫 | 佐左木俊郎 | − | 他殺を過失死に見せかける等の面白さの長篇「恐怖城」他に短篇として、異常心理「街灯の偽映鏡」、錯覚が起こした精神の拷問「錯覚の拷問室」、「猟奇の街」、社会派ミステリに驚愕「或る嬰児殺しの動機」、「仮装観桜会」の6編を収録。思ったよりは面白い好作品集である。 | ☆☆☆☆ |
01b | 博士邸の怪事件 | 春陽文庫 | 浜尾四郎 | − | 長篇の表題作に、短篇「不幸な人達」を収録。「博士邸の怪事件」は元はラジオ用シナリオだけ有り、殆どセリフである。中途まで奇々怪々な展開などは面白かったが、如何せん解決が駄目すぎる。訳わからん薬に大幅に翻弄されるほど当局は無能だというのか! 「不幸な人達」は冗談のような悲劇で少し面白いコントのような短篇。 | ☆☆☆+ |
016 | 誰の屍体か | 春陽文庫 | 鮎川哲也 | − | 短篇集。鬼貫警部活躍の表題作であり、ある種錯誤を利用した恐るべきトリックの「誰の屍体か」、ちょっとトリック面では落ちるかな、と思われる田所警部活躍と鬼貫警部の「一時一〇分」、自殺のような密室殺人を扱いラストも痛快な「他殺にしてくれ」、消失トリック鮮やかな星影龍三活躍の「消えた奇術師」(再読)、怪奇SF小説でありながら本格推理の面白さ「冷凍人間」を収録。 | ☆☆☆☆☆ |
016 | 下水道 | 春陽文庫 | 角田喜久雄 | − | 「蛇男」「ひなげし」「豆菊」「狼罠」「ペリカンを盗む」「浅草の犬」「三銃士」「発狂」「死体昇天」「密告者」「ダリヤ」「Q」「下水道」を収録。感心したのは再読の「ひなげし」と中編「発狂」、そして秀作の「下水道」だろう。特に「下水道」は凄い。怪奇本格探偵。特に怪奇が圧倒的なのである。 | ☆☆☆☆+ |
014 | 大雷雨夜の殺人 | 春陽文庫 | 小酒井不木 | − | 中篇「大雷雨夜の殺人」「雪の夜の惨劇」、短篇「愚人の毒」「メデューサの首」「人工心臓」「謎の咬傷」「烏を飼う女」「抱きつく瀕死者」「好色破邪顕正」を収録。特に秀逸だったのは、既読の「愚人の毒」を除くと、「メデューサの首」「人工心臓」も二作。圧倒的であるし、不木全作の中でもトップクラスだろう。不木らしい作品となると、やはりこの手の医学系怪奇だ。それと「烏を飼う女」もなかなかだ。中篇も異なる意味で面白い。 | ☆☆☆☆☆ |
013 | 赤外線男 | 春陽文庫 | 海野十三 | − | 「盗まれた脳髄」「電気看板の神経」「幸運の黒子」「夜泣き鉄骨」「三角形の恐怖」「西湖の屍人」「赤外線男」収録。特に秀逸なのは、表題作で帆村荘六名探偵活躍の「赤外線男」であった。次点は同じく帆村シリーズの「盗まれた脳髄」と最初期作「三角形の恐怖」だろう。とにかく面白いものは面白いのだ。 | ☆☆☆☆☆ |
013 | 死人に口なし | 春陽文庫 | 城昌幸 | − | 表題作など三十の短篇を収録。私的には「人花」が最高級に面白かった。申し訳ないが収録作品名はとりあえず割愛する。 | ☆☆☆☆☆− |
027 | 波斯猫の死 | 日本小説文庫 | 甲賀三郎 | − | ほとんど新青年系を除いての、中期佳作揃いの短篇集。詳しくは「甲賀三郎の世界」参照する事。 | ☆☆☆☆☆ |
023 | 琥珀のパイプ | 春陽堂 | 甲賀三郎 | − | 甲賀の復刻版1。詳しくは「甲賀三郎の世界」で紹介している。 | ☆☆☆☆+ |
019 | 盲目の目撃者 | 日本小説文庫 | 甲賀三郎 | − | 「盲目の目撃者」「山荘の殺人事件」の二中篇を収録。詳しくは「甲賀三郎の世界」参照だが、特に後者は通俗ではない。 | ☆☆☆☆☆ |
016 | 恐ろしき凝視 | 春陽堂 | 甲賀三郎 | − | 甲賀の復刻版2。詳しくは「甲賀三郎の世界」参照。 | ☆☆☆☆ |
012 | 妖魔の哄笑 | 春陽文庫 | 甲賀三郎 | − | 恐るべきご都合主義+偶然連発という大衆味あふれる探偵小説だったが、新聞小説というせいでもあるのだろう。それに黒眼鏡の女を中心にサスペンスでは非常に優れていた。 | ☆☆☆+ |
011 | 古墳殺人事件 | 春陽文庫 | 島田一男 | − | ヴァン・ダインばりの本格推理小説。エジプト詩文の謎から名探偵が推理する。時折見られるペダントリーや怪しげな登場人物達が効果的だ。私の推理は犯人や要件少々程度で、基本的に暗中模索。 | ☆☆☆☆+ |
021 | 女妖 | 春陽文庫 | 江戸川乱歩他 | − | 乱歩、香山滋、鷲尾三郎の連作「女妖」と、乱歩、城昌幸、角田喜久雄、土師清二、陳出達朗による時代連作「大江戸怪物団」のい二篇。 | ☆☆☆+ |
012 | 黒い虹 | 春陽文庫 | 江戸川乱歩他 | − | 乱歩、水谷準、大下宇陀児、森下雨村、海野十三、甲賀三郎とリレー。全体として面白く、特にラストの甲賀解決編は甲賀色溢れてる上に圧巻であった。 | ☆☆☆☆☆− |
000 | 江川蘭子 | 春陽文庫 | 江戸川乱歩他 | − | 連作探偵小説シリーズ。江戸川乱歩→横溝正史→甲賀三郎→夢野久作→森下雨村とリレーしていく。ラストには不満が残るがそれ以外なら破綻も少なく、それなりには楽しめた。 | ☆☆☆☆+ |
00b | 白頭の巨人 | 春陽文庫 | 耽綺社同人 | − | 耽綺社同人シリーズに3冊目。はっきり言って大した探偵小説ではない、展開的にこれといった山場という山場もなく、平坦な話しである。乱歩的なところも皆無であった。そういうわけで乱歩愛好家や探偵小説愛好家には興味深い対象とは言えるが、普通の人にはお勧めは出来ない・・・。 | ☆ |
007 | 殺人迷路・悪霊物語 | 春陽文庫 | 江戸川乱歩他 | − | 「殺人迷路」「悪霊物語」二つの連作を収録。連作著者は前者が森下雨村、大下宇陀児、横溝正史、水谷準、江戸川乱歩、橋本五郎、夢野久作、浜尾四郎、佐々木俊郎、甲賀三郎で、後者が江戸川乱歩、角田喜久雄、山田風太郎である。作品的には後者の方が数段上であった。 | ☆☆☆☆ |
005 | 畸形の天女 | 春陽文庫 | 江戸川乱歩他 | − | 江戸川乱歩が発端をそして大下宇陀児、角田喜久雄と続き、解決編を木々高太郎が締めるという連作長篇。 引き継ぐたびに事件が自然な形で発展していき、傑作に仕上がっている。 |
☆☆☆☆☆ |
001 | 屍を | 春陽文庫 | 江戸川乱歩他 | − | 作者は全部で江戸川乱歩以下・小酒井不木・香山滋・鷲尾三郎・岡田鯱彦・島田一男・千代有三・楠田匡介・木々高太郎・水谷準・大下宇陀児。 乱歩執筆分が七割位を占めているので乱歩ファンにはお勧め出きると思う。 「屍を」、「空気男」、「悪霊」他4篇収録 |
☆☆☆☆+ |
陰獣 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | 乱歩作品は乱歩作品のページで参照されたし | ||
パノラマ島奇談 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
屋根裏の散歩者 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | 短編集 | ||
D坂の殺人事件 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | 短編集 | ||
人間椅子 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | 短編集 | ||
月と手袋 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | 短編集 | ||
心理試験 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | 短編集 | ||
ペテン師と空気男 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
偉大なる夢 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
孤島の鬼 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
魔術師 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
猟奇の巣 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
黄金仮面 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
吸血鬼 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
白髪鬼 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
妖虫 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
人間豹 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
黒蜥蜴 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
緑衣の鬼 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
大暗室 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
悪魔の紋章 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
幽霊塔 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
一寸法師 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
暗黒星 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
幽鬼の塔 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
化人幻戯 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
影男 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
十字路 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
三角館の恐怖 | 春陽堂 | 江戸川乱歩 | − | − | ||
覆面の佳人 | 春陽文庫 | 乱歩・正史 | − | 実際はほとんど横溝正史の作品。外国人なのに登場人物の名前が日本人というのには混乱しかねないが、なかなかおもしろかった。 | ☆☆☆☆☆ | |
蠢く触手 | 春陽文庫 | 江戸川乱歩 | − | 岡戸武平による代作。筆風が全然違うのですぐにわかる。 上の正史による作品と比べてもいまいちとしかいいようがない完全な凡作。 |
☆☆ |