*** | 書籍表題 | 出版社 | 筆者 | 訳者など | 一言感想or備考 | お勧め度 |
073 | 凍える島 | 創元推理文庫 | 近藤史恵 | ー | 喫茶店の慰安旅行と称して店員と常連とその仲間恋人達が孤島へ旅立つ。そこで待っているのはお約束の殺人事件。 ライトノベル風の軽い女性的な語り口でほんわかした生活模様や人間模様が語られると思いきや、主役からして不倫の恋の真っ只中で、しかも今回の旅のメンバーにその相手と妻がいるという何とも何とも事件が起こりそうな雰囲気プンプンではないか。 本作は愛と死、不思議な相反する感情がテーマである。あまりに生々しく重い感情のもつれ合い、それは作品全体を覆っている謎でもある。無機質で覆われた本格ミステリも面白いが、このような何とも言えない霧に包まれたような女性作家ならではのタッチ。そして新鮮な何ともいえない読後感を得たいならば本作はお奨めできる。第4回鮎川哲也賞受賞作。 |
☆☆☆☆ |
04a | 男の首 黄色い犬 | 創元推理文庫 | ジョルジュ・シムノン | 宮崎嶺雄訳 | 異常心理を扱ったメグレ警部最初期2作。「男の首」は「モンパルナスの夜」と言う題名で戦前から知られていた名作だが、ドストエフスキーの「罪と罰」を幾分大衆化させたかのような者を彷彿させる異常な動機が面白い。メグレは仕組まれた冤罪事件に挑戦する。明らかに極悪犯罪の犯人と見られていた死刑囚をメグレは逃がすてはずをし事件の真相を探ろうとする発端。「黄色い犬」も同じ流れで動機の秀逸さが複雑性を増している。作品の重厚では「モンパルナス」には敵わないが、真相究明の所のドキドキ感は溜まらない。タイトルの黄色い犬は連続殺傷事件の現場で見受けられたことから。有力な犯人候補をあげるも矛盾しか表面に出てこないこの事件の真相は? | ☆☆☆☆+ |
044 | 殉教カテリナ車輪 | 創元推理文庫 | 飛鳥部勝則 | ー | 第9回鮎哲賞受賞作。絵画の意味をを分析読み解くという図像学。これを本格ミステリに絡める試みに成功を収めている所には脱帽しかない。ストーリーはひょんな事から既に亡き画家の東条寺桂に興味を持った学芸員が彼の残された絵を探索、そしてそれを分析しているうちに、桂の自殺にも関係すると思われる二重密室殺人事件に直面すると言う展開。その本格ミステリの部分も一筋ではない面白い手法を持っている点もよかった点だが、何よりも本作は図像学、まさにこれに尽きると言って良いだろう。 | ☆☆☆☆☆− |
044 | 世界短編傑作集4 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン他 | 江戸川乱歩編 | 収録作は、以下の通り。 描かれる異様な迫力のアーネスト・ヘミングウェイ「殺人者」。まさに五里霧中と化した孤島での三つ殺人事件に対して心理的な解を得るイーデン・フィルポッツ「三死人」。劇中のような雰囲気・ダシール・ハメット「スペードという男」。アリスの世界で繰り広げられる異常な雰囲気エラリー・クイーン「キ印ぞろいのお茶の会の冒険」。脱走重罪人の逃れられぬ運命を描いたウィットが秀逸でブラックユーモアも効いている怪奇のアーヴィン・S・コップ「信・望・愛」。ロンドン連続絞殺事件をバックに盲点の真の恐ろしさを描く悪寒の傑作のトマス・バーク「オッターモール氏の手」。ポーカーを勝つためのいかさま眼鏡が示す所であり、いかさまの見破ると言う命題は一層深い所にあるレスリー・チャーテリス「いかさま賭博。何と云う恐怖、ラストからも逃げられないドロシー・L・セイヤーズ「疑惑」。一瞬の親切心と言う心の隙が招いた寄生虫に蝕まれていく様が圧巻のヒュー・ウォルポール「銀の仮面」。 |
☆☆☆☆☆− |
03a | シンデレラの罠 | 創元推理文庫 | セバスチアン・ジャプリゾ | 望月芳郎 | 「私がこれから物語る事件は巧妙にしくまれた殺人事件です。私はその事件で探偵です。証人です。被害者です。その上犯人なのです。」と言う煽り文句が示すとおりの恐るべき作品。目が覚めたときには記憶が無く、顔と髪、指紋を失っており、人々は私を「ミ」と呼ぶ。「ド」なる同居人は不幸にも死んで終ったそうだ。しかしその後の錯綜と錯誤の末に待っていた結末は意外な正体だったと言う展開で、最後の最後までスッキリしない謎々が続いていく興味深い作品。 | ☆☆☆☆+ |
03a | 人生の阿呆 | 創元推理文庫 | 木々高太郎 | − | 父親から信頼されず、祖母のみから溺愛された主人公。ひょんなことから西洋へ行くことになり、その途中でかつての恋人に相見えることが人生の岐路とする。所変わって日本では父親の会社のカシウ菓子に劇薬が混ぜてあるのではないかと疑われる死亡事件があり、またアカの男が殺害される事件も発生。真犯人の意外性は作中人物から取れば青天の霹靂のごとく。しかし話題の文学性については馬鹿馬鹿しくて理解出来ない心理も多く、探偵・文学融合は成功しているとは言えず、チグハグな印象のみを残してしまった。その執筆当時の現実路線が話的にも現在読むに苦しい所を作り、戦前探偵小説ファンとしても面白いと思える点がなかった作品。 | ☆☆☆☆− |
053 | 新・世界の七不思議 | 創元推理文庫 | 鯨統一郎 | − | 「邪馬台国はどこですか?」の世界編みたいな形。主要な登場人物も同様で、面白い観点で、本当らしく脚色して新解釈を繰り出していく。たぶんに都合の良い点をピックアップし、都合の悪い点は苦しい言い訳で簡単に忘却するというのが、この手の常套だと思うので、この本だけで感化されるのは問題外だと言うまでもあるまいが、単純にストーリー的には平易で、単純明快で歴史学者がやらないような当時の人間心理を読んだ新解釈が面白かった。収録作は以下の通り。 「アトランティス大陸の不思議」「ストーンヘンジの不思議」「ピラミッドの不思議」「ノアの方舟の不思議」「始皇帝の不思議」「ナスカの地上絵の不思議」「モアイ像の不思議」 |
☆☆☆☆+ |
039 | 邪馬台国はどこですか? | 創元推理文庫 | 鯨統一郎 | − | 歴史を扱ったミステリ短篇集で、非常にライト。わかりやすくはあるがツッコミどころ満載である。が不思議な世界がそこにはあるのも事実。しかしいくらなんでも、謀反と維新は、おいおいそれでいいのか、ではあるが。収録作は以下。 「悟りを開いたのはいつですか?」「邪馬台国はどこですか?」「聖徳太子はだれですか?」「謀反の動機はなんですか?」「維新が起きたのはなぜですか?」「奇蹟はどのようになされたのですか?」 |
☆☆☆☆+ |
038 | ウは宇宙のウ | 創元推理文庫 | レイ・ブラッドベリ | 大西尹明 | 短篇集。全篇通じてだが、神話的な面白さが楽しめる。「華氏451度」にも通ずる所のあり、哀しみの存在になったポーやディケンズたちが登場する「亡命した人々」、中篇で過酷すぎる環境のため寿命がセミ並しかない人達を描いた「霜と炎」辺りの印象が深い。 | ☆☆☆☆+ |
032 | 日本推理小説史 第三巻 | 東京創元社 | 中島河太郎 | − | 戦前日本の探偵小説界を一気俯瞰した一大バイブルこそが本書であろう。この巻は渡邊温不慮の死辺りから始まる。今から見ればファンにとれば少し偏りや間違いも発見出来るが、そのまとめ上げた資料性は絶大と言わざるを得ないだろう。これは第二巻、第一巻も店頭から消え去る前に確保せねばと思った次第。 | ☆☆☆☆☆ |
020 | 本格一筋六十年 思い出の鮎川哲也 | 東京創元社 | 山前譲編 | − | 鮎川哲也の追悼本。鮎哲のアルバム、九十人にも及ぶ追悼文等を収録したファンなら持っておくべき本であろう。 | ☆☆☆☆☆ |
028 | ポオ小説全集1 | 創元推理文庫 | エドガー・アラン・ポー | 阿部知二・他 | 短篇集で、収録作はわざわざ挙げないが、気球月旅行のSFF「ハンス・プファアルの無類の冒険」、奇妙な味の名品「息の喪失」、最高の機械の正体暴露「メルツェルの将棋差し」、まさに圧巻効果の幻想と現実「アッシャー家の崩壊」、二人の恐るべき真相「ウィリアム・ウィルソン」辺りが特に秀逸だったと言えるだろう。 | ☆☆☆☆+ |
022 | 矢の家 | 創元推理文庫 | A・E・W・メースン | 福永武彦 | フランス人アノー探偵が活躍する名作本格推理だ。特にその心理的探偵手法には脱帽するばかり。果たして叔母殺しのこの事件の真相は!? | ☆☆☆☆+ |
01b | 銀座幽霊 | 創元推理文庫 | 大阪圭吉 | − | 「三狂人」「銀座幽霊」「寒の夜晴れ」「燈台鬼」「動かぬ鯨群」「花束の虫」「闖入者」「白妖」「大百貨注文者」「人間燈台」「幽霊妻」を収録。この中では、「動かぬ鯨群」の一大トリックとラストのグッと来る悲哀が尤も効果的で面白いと思う。各作品のレビューはその内小出しにお目に掛けよう。それと、下記の「とむらい機関車」も含めた私の作品順位表だ。もちろん前後3つくらいはいつの間に変更されるような微妙なものである。ということで参考までに。それと、全体の評価が高いのである。全ての作品が好きと言っても過言ではない。つまり例え順位が低くても充二分に面白いのである。1.坑鬼/2.動かぬ鯨群/3.三狂人/4.とむらい機関車/5.デパートの絞刑吏/6.あやつり裁判/7.燈台鬼/8.寒の夜晴れ/9.闖入者/10.気狂い機関車/11.石塀幽霊/12.花束の虫/13.人間燈台/14.銀座幽霊/15.白妖/16.幽霊妻/17.白鯨号の殺人事件/18.雪解/19.大百貨注文者/20.カンカン虫殺人事件/ | ☆☆☆☆☆+ |
01b | とむらい機関車 | 創元推理文庫 | 大阪圭吉 | − | これが戦前に書かれたものだと知らない状況で人に示唆されたら信じられる自信がない。それほどの時代を超越した本格探偵小説だ。「とむらい機関車」「デパートの絞刑吏」「カンカン虫殺人事件」「白鯨号の殺人事件」「気狂い機関車」「石塀幽霊」「あやつり裁判」「雪解」「坑鬼」及びエッセイを収録。どれも面白いものだが、「坑鬼」の天と地がひっくり返るような衝撃に一番感激したように思える。 | ☆☆☆☆☆+ |
018 | 思考機械の事件簿 I | 創元推理文庫 | ジャック・フットレル | 宇野利泰 | 名探偵・オーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン教授こと、《思考機械》の活躍譚。90年前の作品としては圧巻としか言えない。特に「謎の凶器」「ルーベンス盗難事件」「水晶占い師」「茶色の上着」「赤い糸」あたりは面白い。「焔をあげる幽霊」も随分面白いが2+2が4に常にならないので駄目(笑) | ☆☆☆☆☆− |
070 | 造物主の選択 | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 小隅黎 | 「造物主の掟」の続編。 進化していた機械文明の知的生命達。彼らを巡っての攻防は完全に決着したわけではなかった。作業中に事故死した地球人の遺骸を手に入れたことが旧来よりのライフメーカー信仰派の反撃の足がかりとなっていったのだ。そんな中、機械文明を持ちだした有機的知的生命つまり真のライフメーカーの正体が悠久の時を超えて明らかになる展開へとなっていく。お馴染みのぺてん心霊術師のザンベンドルフが活躍する。造物主の選択という表題がいかにしっくり来ており、また後味の悪さも残さない素晴らしい読後感だったというのは個人的感想だ。 |
☆☆☆☆☆ー |
076 | 造物主の掟 | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 小隅黎 | 5年単位でずいぶん前から所持していた文庫だったが、その微妙な分厚さから敬遠していた。読んでみると、あまりの興味を引き寄せるホーガン流の中世風ファンタジーにハードSF的根拠を付加するという非常に読ませる内容で、お腹いっぱいになってしまった。未知との遭遇、ファーストコンタクトものの傑作とお奨め出来る。正直怪しげな心霊術士が主役という点には読み始めには違和感を感じたが、先にも書いたように先の読めない展開と超異文化交流には感動を隠しきれない。 筋としては、遙か過去に地球外生命体(異星人)が残した自動機械生産工場が宇宙環境変化による突然変異によって、当の異星人の想定外の機械的な"進化”を始めた。そして時は下り、現在に至るにおよび彼らは中世風の文明を持つにいたっており、資本主義の地球人は彼らと接触するという展開。 |
☆☆☆☆☆ー |
054 | 揺籃の星(下) | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 内田昌之 | ヴァリコフスキー理論を下敷きにした色々な意味で恐るべきストーリー。地球はかつて土星の衛星だった? 「断絶への航海」で示したような世界を築きあげている、土星のかつて移民したクロニア人たちは主張した。地球の科学者達は否定に躍起だった。しかし現に空には木星から分離した小惑星アテナがあった。そこから生まれるあまりの悲劇。視点を外せばそこには阿鼻叫喚しかないだろう。突っ込み所も多い本作だが、三部作の第一作だという。この後、どのような創造と破壊が続くのだろうか? 楽しみにしたいところだ。 | ☆☆☆☆ |
054 | 揺籃の星(上) | 創元SF文庫 | ||||
017 | 創世記機械 | 創元推理文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 山高昭 | 本来なら創元SF文庫にするべきだが、SF文庫登場以前の本のため、こちらに加えざるを得なかった、多分現在はSF文庫である。で、これは、まさにハードSFをもろに行ったようなものでK空間を利用した恐るべき発明。中盤途中で所謂現在の先進国系の偏った正義という大義名分に苛ついたが、最後の大トリックによって、読後感は頗る良い。なかなかの面白さである。 | ☆☆☆☆+ |
005 | 仮想空間計画 | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 大島豊 | 恐怖をも感じさせる近未来SF。極に近いヴァーチャル・リアリティを体験させる。近い将来に人は神にもなれるのだ。そして、この現実は果たして仮想ではないと誰にわかるだろうか・・・・・・・・・。 | ☆☆☆☆ |
99b | 時間泥棒 | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 小隅黎 | 時間が盗まれる謎。その気違いじみた正体には驚異すらを感じる。 | ☆☆☆☆ |
998 | 終局のエニグマ(下) | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 小隅黎 | あっと驚くトリックに唖然とするばかり、心理ミステリばりの展開が最高であった。上巻の退屈な展開とはうって変わって、下巻は大どんがえしが待っていた。 | ☆☆☆☆ |
998 | 終局のエニグマ(上) | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 小隅黎 | 21世紀にソ連が登場。本当にフィクションになってしまった。スペースコロニーを作るなど協力になった共産圏と資本主義に限界を来たし、力を落としたアメリカという時代設定だ。 また訳の柔軟性がいまいちのように思われる。 |
☆☆☆+ |
997 | 内なる宇宙(下) | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 池央耿 | 三部作の続編。この宇宙とは尾となる物理法則が働いているという神話のようなファンタジー世界は超科学に内包されていた。特に後半はおもしろすぎ。 | ☆☆☆☆☆ |
997 | 内なる宇宙(上) | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 池央耿 | ☆☆☆☆ | |
996 | 巨人たちの星 | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 池央耿 | 三部作の最後。想像力・創造力に敬意を表する。 | ☆☆☆☆☆ |
995 | ガニメデの優しい巨人 | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 池央耿 | 下記の「星を継ぐもの」の続編。SFが好きになる要因になりうるおもしろさ。 | ☆☆☆☆☆ |
994 | 星を継ぐもの | 創元SF文庫 | ジェイムズ・P・ホーガン | 池央耿 | まさにSF、加えて謎解き小説としても十分おもしろい 月面上で発見されたのは宇宙服を着た人類の死骸。一見単なる事故死を連想するしかないが、それが5万年前のミイラ死体であるというのだから圧巻の謎の提出である。生物学者の調査によりその人が全く地球人類と全く寸分違わぬ生態系であるに及んでセンセーショナルを巻き起こす。はたして、この遺骸を巡る謎はどこに辿り着くのか。 再読してみて体内時計の問題だけしっくり来ないのが気になったが、それでも普及のSFであり本格ミステリである点は疑いようがないだろう。 |
☆☆☆☆☆+ |
980 | レッドマーズ(上) | 創元SF文庫 | キム・スタンリー・ロビンスン | 大島豊 | SFというより近未来予想って感じの小説 | ☆☆☆☆ |
980 | レッドマーズ(下) | 創元SF文庫 | キム・スタンリー・ロビンスン | 大島豊 | ||
海底二万里 | 創元SF文庫 | ジュール・ヴェルヌ | 荒川浩充 | 魚の説明が余りにも詳しすぎた感があった。150年前のノーチラス号のはなし。 | ☆☆☆ | |
017 | 黒いカーテン | 創元推理文庫 | ウィリアム・アイリッシュ | 宇野利泰 | サスペンススリラー。不連続の記憶と記憶の間にある黒いカーテンの謎。しかも不明の記憶サイドの主人公は誰かに狙われている・・・。その意味不明の恐怖に立ち向かうために、過去を探す冒険に出るものの・・・・・・。ただトリックはXXXで、XX的であり、この時代からすれば、大したことない。まぁ、それは主眼でもなんでもないのでどうでもいいのかもしれないが。それと円満なハッピーエンドのためだろうが、あの人を抹殺するのはちょっと酷いと思う。 | ☆☆☆☆ |
011 | 陸橋殺人事件 | 創元推理文庫 | ロナルド・A・ノックス | 宇野利泰 | 例のごとく黄金時代の本格ミステリ。内容的には登場人物同様に騙された感が強い。ただ期待していただけに、作者に振り回されただけで、私的には今ひとつと思われた。 | ☆☆☆☆ |
029 | 殺意 | 創元推理文庫 | フランシス・アイルズ | 大久保康雄 | 倒叙形式の探偵小説で、犯罪心理サスペンスに優れた圧巻の面白さ。主人公の小男が犯した完全犯罪を描ききると同時に、厳しい現実も少しつけ加える事で圧倒的読後感を残してくれる。犯罪者の傲慢とは言え、妙に感情移入してしまう所もあり、正義と悪意とは主人公の主観によりけりだと実感してしまうのだ。哀れむべき犯罪者。恋愛と憎悪と無関心が生んだ本作は、主人公犯罪者の内なる殻を破らせたが、破りすぎた外なる殻の外には当然の結果が待っていたのである。恋愛の結果、妻に対する邪険、そして・・・、それを原因とした第二の企み。医者らしき内的殺人方法。とにかく面白さは抜群なのだ。 | ☆☆☆☆☆ |
008 | 毒入りチョコレート事件 | 創元推理文庫 | アントニイ・バークリー | 高橋泰邦 | 一見単純そうでありながら解決の道がつかない難事件の真相を「犯罪研究会」の会員6人がそれぞれ6者6様に解いていくのという推理合戦が見物の探偵小説。どれもが一見美事に思える推理的解決をつけているのだから圧巻であろう。 | ☆☆☆☆☆ |
069 | クロイドン発12時30分 | 創元推理文庫 | F・W・クロフツ | 大久保康雄 | 倒叙探偵小説の古典的名作。世界恐慌の打撃で傾いてしまった工場経営。このままでは破産になり雇い人共々破滅してしまう。しかも恋の成就のためには金持ちが条件なのだ。そこで引退した伯父は健康も良くないが精神状態も病みかけており、生きているままでは窮状を訴えても金を貸してくれないと言う状況だ。古典的毒殺トリックにより犯罪をおかし、その結果は物語の冒頭で現れたとおり初めての空の旅での突然死を呼び込んでいた。犯罪者の主人公が自信をもって行った犯罪ははたしてどのような形で露見してしまうのだろうか。フレンチ警部ものである。 現在の観点でいえば犯罪パターンや露見パターンは典型的にも見えるが、その典型を作り出した作品とも言えるのだろう。ただ二度目の殺人については冗長すぎであり必要性が感じられなかったのが勿体ない点のようにも思えたことをつけ加えておこう。。 |
☆☆☆☆+ |
033 | 樽 | 創元推理文庫 | F・W・クロフツ | 送られてきた樽の中から金貨がザクザク、しかし更に見えたのは死体だった、という恐るべき樽。中盤は恐ろしく退屈である。怪しい人物が警察に逮捕されるまでの証拠が固められていくのだが、果たして本当に犯人なのか!? 樽の絶妙な動きと恐るべき奸智が美事と言えるだろう。ただ終盤の終わり方が何とも気に入らない点ではあるが、このクロフツ流リアリズムの探偵小説がこの作品を嚆矢としている点を考えれば、偉大なる所業と言えるだろう。 | ☆☆☆☆☆− | |
018 | マギル卿最後の旅 | 創元推理文庫 | F・W・クロフツ | 橋本福夫 | 例のごとくフレンチ警部の活躍。行方不明のマギル卿に関する難事件で、フレンチ達が足と頭脳を使い謎を解き明かす。確かに退屈極まりない所も多いが、ラスト近くの解決が近づいてくるや、果然面白くなり犯人の野望は潰えるのである。 | ☆☆☆☆☆− |
009 | フレンチ警部最大の事件 | 創元推理文庫 | F・W・クロフツ | 田中西二郎 | 凡人探偵フレンチ警部初登場作品。フレンチ警部が手がかり求めて英国中心に西欧を走り回り、成功と挫折をくり返しながらも複雑な事件が解けていく様が面白い。 | ☆☆☆☆☆− |
007 | クロフツ短編集1 | 創元推理文庫 | F・W・クロフツ | 向後英一 | フレンチ警視活躍の短編集。倒叙物スタイルで、完全犯罪に数歩届かず、見破られてしまうというもの。「床板上の殺人」「上げ潮」「自著」「シャンピニオン・パイ」「スーツケース」「薬壜」「写真」「ウォータールー、八時十二分発」「冷たい急流」「人道橋」「四時のお茶」「新式セメント」「最上階」「フロントガラスこわし」「山上の岩棚」「かくれた目撃者」「ブーメラン」「アスピリン」「ビング兄弟」「かもめ岩」「無人塔」を収録。 | ☆☆☆☆☆− |
006 | 赤毛のレドメイン家 | 創元推理文庫 | イーデン・フィルポッツ | 宇野利泰 | 乱歩の選ぶ黄金時代ミステリーの栄光の第1位。乱歩は『緑衣の鬼』と称して翻案している作品でもある。全体的に引き延ばしすぎている感があり、それでも中盤以降は息を付くほどに非常に面白く感じたが、前半はやや退屈を感じた。登場人物は少ないので、その個性などが生き生きと描かれている面は良いかと思われる。 | ☆☆☆☆☆− |
006 | トレント最後の事件 | 創元推理文庫 | E・C・ベントリー | 大久保康雄 | ラストでの驚くべき真相には驚かされた。中盤で探偵の推理が完結してしまうのは残念にも思えたが、恋愛物語にあるように人間性が生き生きと描かれており、退屈するような描写はなかったといっていいと思う。なお、乱歩の選ぶ黄金時代ミステリーの5位に輝いているほどの不朽の古典的名作である。黄金時代前、第一次大戦前に書かれている点からも素晴らしいの一言。 | ☆☆☆☆☆ |
00a | ブラウン神父の知恵 | 創元推理文庫 | G・K・チェスタトン | 福田恆存+中村保男 | ブラウン神父とフラウボーもの。 「グラス氏の失踪」「泥棒天国」「ヒルシェ博士の決闘」「通路の人影」「器械のあやまち」「シーザーの頭」「紫の鬘」「ペンドラゴン一族の滅亡」「銅鑼の神」「クレイ大佐のサラダ」「ジョン・ブルノワの珍犯罪」「ブラウン神父のお伽噺」を収録。「グラス氏の失踪」「ヒルシェ博士の決闘」「通路の人影」「器械のあやまち」あたりが特に優れていた。いずれにせよトリックメイカーであり、非常に面白い一冊であった。 |
☆☆☆☆☆− |
001 | ブラウン神父の童心 | 創元推理文庫 | G・K・チェスタトン | 中村保男 | 特に「青い十字架」「秘密の庭」「奇妙な足音」「アポロの眼」がよかったと思う。 | ☆☆☆☆☆ |
05a | 雲なす証言 | 創元推理文庫 | ドロシー・L・セイヤーズ | 浅羽莢子 | ピーター・ウィムジィシリーズの第2長篇。今回はその実の兄で貴族院議員でもあるデンヴァー公爵が殺人容疑で裁判に付され、しかもその殺人対象が実の妹の婚約者であるという非常事態。妹から兄まで証言は絡み合わず、そこに各種のロマンスが混じりあう複雑模様。ピーター・ウィムジィ卿は兄妹を救うため尽力するも、待ち受けていたのは何という冒険か。ハラハラさせるばかりだ。不可能興味やトリックがあるわけではないので、ミステリ興味は期待するだけ無駄であるが、ピーター卿ファンならば読むべきだろう。 | ☆☆☆+ |
051 | 不自然な死 | 創元推理文庫 | ドロシー・L・セイヤーズ | 浅羽莢子 | ピーター。ウィムジィシリーズの第三長篇。今回の興味はホワイダニットとハウダニットにある。なぜ? どうやって? と言う興味は尽きる所を知らない。この作者は遺産相続系が好きなようだ。今回もその口なのだが、既に末期癌で死ぬのも時間の問題だった老婆が突然医者の想定より遙かに早く死亡するという事件、というか悲劇があった。死因に疑わしい点はなく、その医者の見込みが間違えていただけだと思われた。その遺産は老婆が死ぬ前に考えていたように、多少複雑な関係のあった唯一の肉親とも言えた曾姪の娘に継がれることになった。そもそもこれは事件でもなんでもなかったのだ。その不自然さに興味を持った有閑ウィムジィの眼に叶い、そしていつの間にかそのウィムジィやパーカー警部と言ったお馴染みの面子によって、事の存在が表面化していく。危険な罠も待ち受けていた。と言った展開。リアルタイムで読めば、法律が絡む、なぜの興味も非常に深かったはずである。そのような時の悪戯が運命を悲劇的なものに変えていく。ホワイについては現在の観点で読めば常識に近いことだが、当時としては斬新だったのだろう。また英国の当時の物凄い人種偏見の認識やらもある意味興味深いと加えておく。。 | ☆☆☆☆+ |
025 | ベローナ・クラブの不愉快な事件 | 創元推理文庫 | ドロシー・L・セイヤーズ | 浅羽莢子 | ピーター卿シリーズの第四長篇。ベローナ・クラブで起こったのは、会員でもある高齢の老人の死。しかもそれが劇的な結婚をし、ついには亡き夫が爵位に、遺産を持った妹の死とほとんど同時だったから、不愉快が増していったのである。妹の遺産は兄が在命ならば、兄に大半が、でなければ、遠い親戚という一緒に住んでいた若い女と言う事になっていた事から、良からぬ策謀が展開していくのである。意外性という点ではどうも平坦過ぎるような気もするが、意外と言えば少しは意外なのかも知れない。しかし作中犯人に最後の良心があったとすると・・・・・・なのではあるまいか。総評としては、アッと驚くような場面も特になく、今一つのせいぜい並作としか言えないだろう | ☆☆☆+ |
008 | 誰の死体? | 創元推理文庫 | ドロシー・L・セイヤーズ | 浅羽莢子 | セイヤーズ女史の処女長篇にして、ピーター卿の初登場作品。ミステリとしては、正直少々の物足りなさを感じたが、それを補ってあまりある小説としての出来は読みやすさとともに評価できるポイントだと思われた。 | ☆☆☆+ |
007 | ピーター卿の事件簿 | 創元推理文庫 | ドロシー・L・セイヤーズ | 宇野利泰 | 貴族探偵ピーター・ウィムジー卿の名作短篇集。 短篇『鏡の映像』『ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪』『盗まれた胃袋』『完全アリバイ』『銅の指を持つ男の悲惨な話』『幽霊に憑かれた巡査』と中篇『不和の種、小さな村のメロドラマ』収録。奇怪性に溢れた本格ミステリの宝箱であり、どれもこれも絶賛クラスといってもいいと思う。特にファンタジー色溢れた『ピーター・ウィムジー卿の奇怪な失踪』、圧倒的な奇怪人間趣味『銅の指を持つ男の悲惨な話』、アガサやフィルポッツという脇役が登場するなどのお遊びに奇怪奇怪な展開、真相の意外性、キリスト教世界の小さな町など興味が尽きない『不和の種、小さな村のメロドラマ』は秀逸。 |
☆☆☆☆☆ |
001 | ナイン・テイラーズ | 創元推理文庫 | ドロシー・L・セイヤーズ | 浅羽莢子 | ラストの真相には心底驚異を感じた。結局、当然だが、転座鳴鐘術については理解が及ばなかったが、カトリック界文化の一端をようやく知れて良かった。序盤、事件が起こる前を読むのは特に難儀だった。あと、蛇足だが、有栖川有栖の推理研シリーズの「孤島パズル」をちょっと思い出した。もはや絶版でなくなって、ホント幸いである。 乱歩の選ぶ黄金時代ミステリーの10位にランクインしているほどの名作。 |
☆☆☆☆☆+ |
045 | 象牙の塔の殺人 | 創元推理文庫 | アイザック・アシモフ | 池央耿 | 象牙の塔とは、すなわち最高学府の大学のこと。化学系の研究室で起こった死。些細な有り得そうもないミスで死亡したとされた学生。その学生を担当していた助教授が主人公であり、同時に殺人だとしたら、もっとも疑われるべき人物でもある。さて、その凡としか言いようのない助教授は、その危機をいかに乗り切って行くだろうか? と言う話。この本格推理小説で特筆すべき点は一点だけであるが、その動機の問題こそがまさに素晴らしきかな、であり、これだけでも読んでみる価値は十分にあるのは疑いない。 | ☆☆☆☆ |
037 | 聖者の行進 | 創元SF文庫 | アイザック・アシモフ | 池央耿 | イメージを利用した詩「男盛り」、女ロボットの直観から移住可能な惑星を見付けるという計画で、スーザン・カルヴィンの推理も冴える「女の直観」、月世界の住人が深海世界を訪れたその理由とは? そして美事なる切り返しが面白い「ウォータークラップ」、ロボット工学三原則で言う人間とは何かを示す問題作「心にかけられたる者」、真の兄弟がありえない時代の奇妙な連携「天国の異邦人」、コンピュータに支配される人間世界で、最後の言葉が末恐ろしい「マルチバックの生涯とその時代」、食糧供給が人口増に追いつけなくなり密かに篩い分けをする計画が持ち上がったと言う設定で、発明者が施した意外な策「篩い分け」、自由ロボットとなったアンドリューの究極の願望と、その実行への決意。原本の表題作「バイセンテニアル・マン」、癒しの音楽で狂気を緩和する「聖者の行進」、絶体絶命の中、ブラックホールを利用した通信手段のアイデア「前世紀の遺物」、大統領の影武者ロボットが原子分解されるという事件なのか?「三百年祭事件」、ユニークなタイムマシンもの「発想の誕生」。を収録。どれも面白い短篇集だ。 | ☆☆☆☆☆− |
033 | 暗黒星雲のかなたに | 創元SF文庫 | アイザック・アシモフ | 沼沢洽治 | ミステリタッチを見せつける所はさずがのアシモフSFと言った所。地球はまだ健在で、銀河が帝国を最初の生み出している時期。地球に留学していたのは主人公の帝国支配下の星の諸侯の息子。その彼が巻き込まれていく。そしてその父親は既に亡き者で、主人公はその帝国からの独立という志を受け継ぐ事になるのである。反乱軍の星を探すというサスペンスと意外な真相と言うミステリ。若き他星の王侯貴族同士のローマンスも絡めながら進んでいく本篇。定石通り進んでいたプロットもいきなり意外に点ずれば、犯人の意外性もあれば、頭脳ゲームの到着点も意外なのだ。まさに意外や意外の面白さで、物語に入り込めば面白さは増す一方なのだ。特に後半のスリルはたまらない。さて、暗黒星雲のかなたに、見つけだした光明とはいかなるものか。最後のセンテンスは今現在読むと、吹き出したくもなるのだが・・・・・・、後のトランター帝国の性格を考えると、相応しい称号かも知れない。21世紀初頭現在栄える某帝国の嚆矢(謎) | ☆☆☆☆+ |
027 | 銀河帝国の興亡3 | 創元推理文庫 | アイザック・アシモフ | 厚木淳 | 原題「第二ファウンデーション」の示すとおり、その謎とされた第二を巡る作品。先ずはミュールが探索をし、お次には第一がである。しかし宇宙の果てにあるというヒント一つではその存在は永久不滅かと思われたが、推理合戦は繰り広げられる!? この点で本格ミステリ的興味も頗る強いSF大傑作初期の三部作のラスト。これにて幕。しかし三十年後の続編4シリーズはハヤカワでしか読めないのが不覚である(^^; | ☆☆☆☆+ |
027 | 銀河帝国の興亡2 | 創元推理文庫 | アイザック・アシモフ | 厚木淳 | 原題「ファウンデーションと帝国」で、一部が精力を衰えた旧帝国との危機、第二部が突然変異体《ミュール》出現に対する危機である。予期せぬ自体にセルダン計画は無事進行しただろうか!? 探偵小説味も感じさせる壮大なトリックがあるのがもっとも面白いと感じるのは、SFでの感想として適切であるかはわからないが、ミュール編の面白さの主点はそこにあるのではないかと思う。 | ☆☆☆☆+ |
027 | 銀河帝国の興亡1 | 創元推理文庫 | アイザック・アシモフ | 厚木淳 | ハリ・セルダン、サルヴァー・ハーディン、ホーバー・マロウ、彼らは各世代でファウンデーションにおける危機を乗り越えた英雄とも言うべき指導者であり、その物語が綴られていく。そもそもの発端はセルダンによる心理歴史学、それは栄華を極めた銀河帝国の衰微を数学的に予言する物であり、崇高な彼の計画は、科学者を辺境に植民させることで、衰微後の銀河の暗黒時代を1/30の期間に縮める事であったのである。道しるべはセルダンから。 とりあえず驚きに値するような特筆の感銘はないが、読ませる部分として面白い事は面白いと言えよう。 |
☆☆☆☆ |
027 | 黒後家蜘蛛の会 3 | 創元推理文庫 | アイザック・アシモフ | 池央耿 | 相変わらず話が面白い。つい引き込まれて、最後のヘンリーのご高説までを楽しみに拝聴してしまうのである。それにしても私にとって二年半以上ぶりの黒後家だった割には登場人物も良く覚えていた。それほど会員達には魅力があるのであろう。さて、この第三弾も、全体的に楽しめるが、納得行きかねる作品もなるほど数作はある。しかし「ロレーヌの十字架」「欠けているもの」などお気に入り作品も出て来るのである。鮎哲との共通点もある作品ではもろに出、それにもニンマリさせられた。あと現代日本人には苦しい謎も多いが、話として楽しめるのだから、まぁ、いい事にしよう。 | ☆☆☆☆+ |
990 | 黒後家蜘蛛の会 1 | 創元推理文庫 | アイザック・アシモフ | 池央耿 | 連作短編。納得いきかねる話も幾つかあったが、全体としては充分楽しめた。「贋作のPh」と「会心の笑い」、「死角」あたりが私のお気に入りか。 この人の訳はこなれていて、読みやすいのでよかった。 |
☆☆☆☆ |
990 | 探偵を捜せ! | 創元推理文庫 | パット・マガー | 井上一夫 | エゴの固まりのような犯人には苛立ちを覚えた。本格にしても材料が足りなすぎるきらいがあるが、異色本であるので仕方がないのだろうか。探偵もあまりにも間抜けすぎである。心理小説としてはいい。 | ☆☆☆ |
016 | カナリヤ殺人事件 | 創元推理文庫 | ヴァン・ダイン | 井上勇 | ヴァン・ダイン第二長篇。トリックもつまらないもので、犯人の推定も随分容易だったと言える。犯人の資格を推理する心理的推理法は悪くはないが、そのわりには中盤の冗長なこと、この上なく思う。まぁ、もっとも1927であることも考慮するが、やはり3,4,5長篇に比べたら随分劣ってる気がするのは気のせいだろうか!? | ☆☆☆☆− |
015 | ベンスン殺人事件 | 創元推理文庫 | ヴァン・ダイン | 井上勇 | ヴァン・ダインの記念すべき処女作であり、ファイロ・ヴァンスの初登場作品。心理的推理法を駆使して犯人を限定していく本格。しかしその曖昧性などから些かフェアとは言い難い面も多々あるのもまた事実だ。読後でも私的に納得いかない点が残ってしまった。 | ☆☆☆☆− |
011 | カブト虫殺人事件 | 創元推理文庫 | ヴァン・ダイン | 井上勇 | ファイロ・ヴァンスの第五長篇。古代エジプトを絡ませながらの恐るべき完全犯罪。私にしても中途まで完全に騙されてしまっていた。 | ☆☆☆☆☆− |
004 | グリーン家殺人事件 | 創元推理文庫 | ヴァン・ダイン | 井上勇 | 「僧正」と共に1,2を争うかという著者の本格ミステリ。本格ミステリの歴史の中でも、その評価は金字塔のごとくだろう。 後半3/4までで犯人の推定を得ることは出来たが、確信とはなり得なかった。という最たる理由は最大の難関を突破し切れなったことだ。あれは現代人の常識範囲では解くのは困難と思われる。 |
☆☆☆☆☆+ |
99b | 僧正殺人事件 | 創元推理文庫 | ヴァン・ダイン | 井上勇 | 犯人に騙されてしまった。やはりやはり読後考えると、自分の間抜けさに気づいた。 乱歩の選ぶ黄金時代ミステリーの3位にランクインしているほどの名作。 |
☆☆☆☆+ |
019 | 日本探偵小説全集12 浜尾四郎集 |
創元推理文庫 | 浜尾四郎 | − | 「彼が殺したか」「悪魔の弟子」「死者の権利」 「夢の殺人」「殺された天一坊」「彼は誰を殺したか」「途上の犯人」「殺人鬼」を収録。短篇の中では未読の「死者の権利」「殺された天一坊」「彼は誰を殺したか」を読んだのだが、既読の物を含めて圧巻の面白さである。法律は何かという提起が面白いのである。長篇「殺人鬼」においては、「グリーン家」をマネすると言うより、更に越えると言ってもいい面白さではないかと思う。戦前探偵小説を読んでいる気がしないというパフォーマンスの高さ!難点もそりゃああるが、それを凌駕する絶讃の嵐と言っても差し支えはあるまい。予想以上の面白さだった。 | ☆☆☆☆☆+ |
015 | 日本探偵小説全集12 名作集2 |
創元推理文庫 | 葛山二郎 大阪圭吉 蒼井雄 中島河太郎 |
− | 全体的な面白さでは、日本探偵小説全集シリーズの中ではトップクラスに思われる。 葛山二郎の「赤いペンキを買った女」は世間の葛山第一位評価に対して、今までに読んだ「杭を打つ音」の本格度+α、「股から覗く」怪奇味+αの方が幾分面白いのではないかとも思ったが、その法廷本格は興味深い秀作である。 大阪圭吉は「とむらい機関車」「三狂人」「寒の夜晴れ」「三の字旅行会」の四短篇。前三者は戦前本格短篇の圧倒的傑作である。特に「三狂人」においては、そのトリックと妖気に恐るべきまでに感心させられた。「三の字」はユーモア探小ながら、不思議を考えさせる。 蒼井雄は長篇「船富家の惨劇」と中篇「霧しぶく山」。「霧」の方は極最近に違い本で読んだのだが、怪奇な感じの強い美事な作品だった。で、「船富家」だが、これが戦前長篇本格の最高作あり、海外本格にも全く遜色しないものだ。大阪、南紀、飛騨、東京と広大なスケールで展開されるアリバイトリックはまさに圧巻であり、クロフツとフィルポッツに挑戦し、ある意味勝利の凱歌を上げている恐るべき完成度。 中島河太郎は「日本探偵小説史」を収録。明治から昭和三十年代中盤あたりまでの探偵小説史を詳細に書いており、全体を把握するのに大変有用だ。特に個人的には新青年以降の戦前探小の項を面白く読んだ。 |
☆☆☆☆☆+ |
013 | 日本探偵小説集1 黒岩涙香、小酒井不木、甲賀三郎集 |
創元推理文庫 | 黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎 |
− | 読むのに怠さも感じたが、これが明治の探偵小説第1号と思うと感動の涙香「無惨」と翻案「血の文字」、不木「痴人の復讐」「恋愛曲線」「愚人の毒」「闘争」、甲賀「琥珀のパイプ」「支倉事件」「蜘蛛」「黄鳥の嘆き」「青服の男」を収録。甲賀の「支倉事件」は記録文学として以外評価はいまいちで、創作で言う甲賀らしさは皆無で、この中では「蜘蛛」が最も秀逸。「黄鳥の嘆き」「青服の男」も面白い。「琥珀」は言うまでもなかろう。 | ☆☆☆☆☆ |
000 | 日本探偵小説全集11 名作集1 |
創元推理文庫 | 山本禾太郎など | − | 山本禾太郎のノンフィクション長篇『小笛事件』を中心に、岡本綺堂は半七捕物帳『お文の魂』『かむろ蛇』、羽志主水『監獄部屋』、谷崎潤一郎『途上』『私』、菊池寛『ある抗議書』、芥川龍之介『藪の中』、佐藤春夫『オカアサン』、海野十三『振動魔』『俘囚』『人間灰』、牧逸馬『上海された男』『舞馬』、渡辺啓介『偽眼マドンナ』『決闘記』、渡辺温『父を失う話』『可哀想な姉』『兵隊の死』、水谷準『空で唄う男の話』『お・それ・みお』『胡桃園の青白き番人』、城昌幸『憂愁の人』『スタイリスト』ママゴト』、地味井平造『魔』を収録。まさに傑作集だろう。 | ☆☆☆☆☆ |
006 | 日本探偵小説全集6 小栗虫太郎集 |
創元推理文庫 | 小栗虫太郎 | − | 『完全犯罪』『後光殺人事件』『聖アレキセイ寺院の惨劇』『黒死館殺人事件』『オフェリヤ殺し』を収録。『黒死館』は夢野『ドグラ・マグラ』以上に頭が痛くなるほど難解取っつきにくいものであったが、それだけ一層読後は何とも言えぬ汗を流していた。どちらにせよ、完全理解のためには再読は必須であるだろう。 | ☆☆☆☆☆+ |
99b | 日本探偵小説全集10 坂口安吾集 |
創元推理文庫 | 坂口安吾 | − | 不連続殺人事件は、登場人物の心情についていくのに疲れるが、絶賛できるほどの本格探偵小説。また出来不出来の差は大きいが、安吾捕物帖も全体としては良かった。それでも私の第1位はアンゴウの感動的話を選ぶ。 | ☆☆☆☆+ |
999 | 日本探偵小説全集4 夢野久作集 |
創元推理文庫 | 夢野久作 | − | 「瓶詰の地獄」、「氷の涯」、「ドグラ・マグラ」の3編を収録。特にドグラ・マグラには戦慄させられた。これは探偵小説超である。もっとも、ややM博士の論文なり、が長すぎたきらいがあったが、やはり読後の何とも言えない気分はこれなしには味わえないのだろう。 残り2編も初見のタイプで楽しめた。 |
☆☆☆☆☆+ |
070 | 女王国の城 | 東京創元社 | 有栖川有栖 | − | 15年ぶりの学生アリスの江神シリーズ。私自身も待ちに待った8年間と言っても言い過ぎじゃなかった。 部長の江神が英都大学推理小説研究会面々の前から突如姿を消した。向かった先にあたりを付けていた織田望月アリスマリアの4人の後輩達は、新興宗教本部がある山奥の村・神倉へと足を運ぶことになるが、そこが舞台ともなる女王国の城。江神に会いたくても入れず、事件が勃発し今度は出れなくなったり。新興宗教と言えどもオウムのような危険はないものの、常識の通用せぬ不思議の国。あらゆる展開が伏線に成り得ていて、トリックそのものは大がかりなものではないがこれぞ本格ミステリというまでのフーダニット&ホワイダニット、最後の最後まで息をつかせぬ謎の連続。様々な動機は宗教だからこそであり、江神シリーズだからこそより生きるというものか。大学生達の生き生きとした描写も清秋ミステリーとしての要素満載で決して15年を感じさせない。 ・・・双頭の悪魔までを読んだ時は大学生で当然感情移入が容易だったが、私も歳を重ねたもんだと思わないでもなかったのは感想の蛇足。ただそれでも江神さんとはほとんど同じ年齢なんだったりするが(笑)。 |
☆☆☆☆☆ |
99a | 双頭の悪魔 | 創元推理文庫 | 有栖川有栖 | − | 3度の読者へ挑戦にはビックリさせられた。推理もほぼ不調に終わったが、やっぱり本格には心惹かれてしまう。 | ☆☆☆☆+ |
999 | 孤島パズル | 創元推理文庫 | 有栖川有栖 | − | 最後の最後まで目が離せない構成でやっぱり一気に読んでしまった。自分の推理がある程度まで結実していたのもその理由かもしれない。 | ☆☆☆☆☆− |
999 | 月光ゲーム Yの悲劇’88 |
創元推理文庫 | 有栖川有栖 | − | なかなか面白い作品であった。 もっとも一日で読破したので、犯人を当てるほどのゆとりはなかったけど。それでも幾つかの謎は的を射ていた模様。 |
☆☆☆☆ |
997 | パーフェクト・ブルー | 創元推理文庫 | 宮部みゆき | − | 推理小説としては物足りなさを感じるが、小説全般と考えるとなかなか楽しめる作風だった。 | ☆☆☆☆ |
020 | 三角館の恐怖 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 多分初めての再読だったと思うが、ちょっと辛いものがあった。乱歩らしい興味が稀薄だと再読が辛くなるものらしい。 | |
028 | 影男 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 再読要員 | |
026 | 緑衣の鬼 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 再読要員。 | |
019 | 大暗室 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 再読要員。 | |
016 | 吸血鬼 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 再読要員。 | |
015 | 孤島の鬼 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | またも再読要員。一体何回目だろうか? | |
015 | 黄金仮面 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 再読要員。挿絵目的 | |
013 | 妖虫 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 再読要員、やはり挿絵。 | |
012 | 盲獣 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | 再読要員。他に「地獄風景」も収録。挿絵と折衷テキストが良い | |
011 | わが夢と真実 | 東京創元社 | 江戸川乱歩 | − | 94年の再版である。詳しくは随筆評論集を参照すべし | |
蜘蛛男 | 創元推理文庫 | 江戸川乱歩 | − | この創元社版間違えて買ったものだが、挿し絵がついていたり、字が読みやすいサイズだったりと結構よかったりする。ただし全部あるわけではないので、注意!なお備考等は作品集参考 | ||
027 | ガストン・ルルーの恐怖夜話 | 創元推理文庫 | ガストン・ルルー | 飯島宏 | 各々が語り口調で語る恐怖夜話。中にはコントのようなしょうもない話もあるが、大体は楽しめる範囲を超えていると言えよう。中でも圧巻の戦慄物語が、片腕の船長に語られる人喰い物「胸像たちの晩餐」である。想像を超える話を更にその語りが高嶺にまで持っていくという優れもの。あと「金の斧」「ビロードの首飾りの女」「ノトランプ」も悪くはない。他には「ヴァンサン=ヴァンサンぼうやのクリスマス」「恐怖の館」「火の文字」「蝋人形館」を収録。この四篇は今一つではあるが。 | ☆☆☆☆+ |
黄色い部屋の謎 | 創元推理文庫 | ガストン・ルルー | 宮崎嶺雄 | 20世紀の名作推理小説をいくつか選ぶとすれば必ずといって顔を出す作品。この密室の謎は天下一品。 乱歩の選ぶ黄金時代ミステリーの2位にランクインしているほどの名作。 |
☆☆☆☆☆ | |
010 | マラコット深海 | 創元推理文庫 | コナン・ドイル | アトランティス物のSF。最後が壮大であるが、少しSFから神秘的になる所が晩年のドイルらしい | ☆☆☆☆− | |
シャーロック・ホームズの冒険 | 創元推理文庫 | コナン・ドイル | 阿部知二 | 誰もが知る親愛なるシャーロックの短編集。ちなみに後二冊ほどあったはず。 | ☆☆☆☆+ | |
回想のシャーロック・ホームズ | 創元推理文庫 | コナン・ドイル | 阿部知二 | |||
シャーロック・ホームズの生還 | 創元推理文庫 | コナン・ドイル | 阿部知二 | |||
99b | シャーロック・ホームズの最後のあいさつ | 創元推理文庫 | コナン・ドイル | 阿部知二 | 私が面白いと感じた作品を挙げると、「瀕死の探偵」、「赤輪党」、「藤荘」、もちろん残りがまずいと言うわけではない。 | ☆☆☆☆ |
緋色の研究 | 創元推理文庫 | コナン・ドイル | 阿部知二 | − | ☆☆☆☆ | |
四人の署名 | 創元推理文庫 | コナン・ドイル | 阿部知二 | − | ☆☆☆☆ | |
018 | 絞首台の謎 | 創元推理文庫 | ディクスン・カー | 井上一夫 | 死人が運転する怪自動車からスタートするこの話だが、私的には面白味が理解出来なかった。全体的に謎も言っちゃあ悪いが陳腐に思える。バンコラン活躍。 | ☆☆☆+ |
990 | 帽子収集狂事件 | 創元推理文庫 | ディクスン・カー | 田中西二郎 | 乱歩が選ぶベスト10(7位)にはいってるが、どうも私的にはそれほどの評価には「うん」とし難いような気も。 | ☆☆☆☆ |
緑のカプセルの謎 | 創元推理文庫 | ディクスン・カー | 宇野利泰 | 推理のしがいがある本格長編。 | ☆☆☆☆ | |
皇帝のかぎ煙草入れ | 創元推理文庫 | ディクスン・カー | 井上一夫 | 推理のしがいがある本格中長編。 | ☆☆☆☆☆ | |
026 | チャイナ橙の謎 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 井上勇 | 切手収集、宝石収集などのコレクターに会おうとしていた被害者。その殺害現場は、あべこべだった。部屋の様子はもちろんのこと、被害者の衣服までもがあべこべになっているというこの不思議。このチャイナオレンジの謎とは!? エラリー・クイーンが解き明かす本格推理。ただ私も考えてみたが特に現在日本人にはこの謎解きは難解であるとしか言えないだろう。 | ☆☆☆☆+ |
Xの悲劇 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 鮎川信夫 | レーン4部作の内の3作。おすすめは私的にはXの悲劇。だが、一般的にはYの悲劇。どちらにせよ、この二作はちゃんと考えれば完全に犯人確信できるようになっているのでぜひじっくり読んで栄光をつかもう。 特に「Yの悲劇」乱歩の選ぶ黄金時代ミステリーの4位にランクインしているほどの名作。 |
☆☆☆☆☆+ | |
Yの悲劇 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 鮎川信夫 | ☆☆☆☆☆ | ||
Zの悲劇 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 鮎川信夫 | ☆☆ | ||
99a | シャム双子の謎 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 井上勇 | 登場人物達が追自然の前に詰められた状況での殺人事件という尋常ではない物語。 | ☆☆☆+ |
003 | エジプト十字架の謎 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 井上勇 | Tを暗示する連続猟奇殺人事件。 ちなみに私の推理は、おおむね失敗です。(^^; |
☆☆☆☆+ |
007 | フランス白粉の謎 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 井上勇 | 例によってのクイーン父子活躍の国名シリーズ。 相変わらずのフェアプレイ本格ミステリである。ただ完全に騙された私の推理はまったくサッパリであったのだが・・・・・・。 |
☆☆☆☆☆− |
016 | エラリー・クイーンの事件簿2 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 青田勝 | 全然大したこともないが、少しユーモア或る本格「〈生き残りクラブ〉の冒険」、これも今一つ「殺された百万長者の冒険」、色々面白い面が多いなかなかの作「完全犯罪」の三中篇を所収。冒険二つは駄作だと思う。 | ☆☆☆☆− |
01a | エラリークイーンの新冒険 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 井上勇 | 絶讃名作「神の灯」の他に、「宝捜しの冒険」「がらんどう竜の冒険」「暗黒の家の冒険」「血をふく肖像画の冒険」「人間が犬をかむ」「大穴」「正気にかえる」「トロイヤの馬」を収録。中篇「神の灯」については感動的トリックであり、この創案者には尊敬の眼差ししかない。「宝捜しの冒険」「正気にかえる」あたりもトリックや筋立てが面白かった。 | ☆☆☆☆+ |
オランダ靴の謎 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 井上勇 | 何でもそうだがクイーンの作品は推理やりがいがあるんだなぁ、これが。 | ☆☆☆☆☆ | |
ニッポン樫鳥の謎 | 創元推理文庫 | エラリー・クイーン | 井上勇 | 変な日本語も登場。何とこの作品、第二次大戦のときの発表である。 | ☆☆☆ | |
怪盗紳士リュパン | 創元推理文庫 | モーリス・ルブラン | 石川湧 | − | ☆☆☆☆ | |
リュパン対ホームズ | 創元推理文庫 | モーリス・ルブラン | 石川湧 | ルブラン版黄金仮面って所か | ☆☆☆ | |
カリオストロ伯爵夫人 | 創元推理文庫 | モーリス・ルブラン | 井上勇 | 宮崎監督のルパン三世のカリオストロはここから拝借してるんです。知ってました? | ☆☆☆☆+ | |
カリオストロの復讐 | 創元推理文庫 | モーリス・ルブラン | 井上勇 | ☆☆☆☆ | ||
奇厳城 | 創元推理文庫 | モーリス・ルブラン | 石川湧 | リュパンシリーズ最大の名作といわれる。 | ☆☆☆☆☆ | |
003 | オルヌカン城の謎 | 創元推理文庫 | モーリス・ルブラン | 井上勇 | リュパンシリーズに一応なっているが、本当にほんのちょっとその存在が確認される程度しか彼は登場しない。 第一次大戦を舞台に描かれており、主人公は父の復讐から始まる大冒険を演じる。色々な意味でラストのラストまで予断を許せない展開に目が離せないはずだ。 |
☆☆☆☆☆− |
ミス・マープルと13の謎 | 創元推理文庫 | アガサ・クリスティ | 高見沢潤子 | おばあちゃん探偵が町の不思議な事件の謎を次々と説く。 | ☆☆☆☆ |